絶対的ヒロイン。 【HQ】

第11話 ページ12

｢Aちゃん決めたかー？｣

私に優しく声をかけてくれたのは

『菅原先輩……』

菅原先輩だった。副主将でお母さんのような人。


｢先輩だからって遠慮しなくていいんだぞー？｣

『はい、あのこれにします。』

私がチョコレートを見せると

「お、これ縁下も好きなヤツだ。大地ーAちゃんこれにするってさ！」

｢お、そうか！じゃあ旭おごってやれ！｣

菅原先輩が叫んで澤村先輩を呼ぶ。

澤村先輩と一緒に東峰先輩もきた。

｢え、俺ぇ！？まぁいいんだけどな｣

東峰先輩は驚きながらも財布を出してくれた。

｢いや嘘だけど。｣

｢あ、そうなの……｣

へこむ東峰先輩がなんだか可愛らしかった。

怖い人だと思っていたとっても優しそうで安心する。

私がほっこりしていると

｢そういえば、Aちゃん｣と菅原先輩が言う。

｢俺らのこと普通にみんなみたいに呼んでいいんだ
ぞ？先輩って雰囲気でもないしな、俺ら。｣

『え、いいんですか？』

私が聞くと今度は澤村先輩が

｢あぁ、みんな大地さんって呼んでるし。そっちの方が仲いい感じがするだろ！な、旭。｣

「そうだね、俺も仲良くしたいし。」


『えっと、じゃあよろしくお願いします。孝支さん、大地さん、旭さん。』

私が笑うと３人も

｢おう！｣と言って笑ってくれた。



バレー部は優しい人ばかりで色々不安なこともあるけど入部しよう。


そう決意した。

その後大地さんにお菓子を買ってもらい

家が近いというので影山くんに送ってもらうことにした。

前を歩く夕と片桐さんを見るのはなんだか嫌だったけれど

影山くんがぎこちないのがおかしくて、なんだか笑ってしまった。


｢なんであんなに仲良くなってるの……｣


｢ん？片桐なんか言ったか？｣


｢ううん！なんでもないよ！｣


夕は聞こえてなかったみたいだけど私は耳がいいから聞こえてしまった。


それは、隣の影山くんも同じみたいで私のことを心配そうに見つめていた。

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