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「はいはい、そこまで。てごちゃんはもう少し休んで、キツそうだったら帰ろう。まっすーは授業始まるぞ、ほら受験生」
「うるせーな小山」
「先生!」
「ふふっ…」
ベッドに横になりながら、少し顔色が良くなってきたてごちゃん。何はともあれ良かったな。
まっすーが保健室を出ていって、ふたりきりになる。
「ゆっくり寝てていいよ。」
「ごめんね、慶ちゃん…」
「謝んなくていいよ、あと先生な」
「はぁい、」
目を閉じて眠り始めた手越を確認して、カーテンを閉める。
事務作業でもしようかとパソコンを開いた時、「慶ちゃん…」掠れた声がして、慌ててカーテンを開けた。
「どうした? 気分悪い?」
「…ううん、あたしって、なんでこうなんだろう…」
布団にくるまっていて、声はくぐもっているけれど、少し涙声だった。鼻をすする音も聞こえる。
「苦しいから、布団被るのやめな」
「や、だ、だって」
「ほーら」
めくると、真っ赤な顔で涙でぐしゃぐしゃなてごちゃん。
抱きしめたくなるのを慌てて抑え込んで、タオルで顔を拭いてやる。
「なんで新学期初日から倒れちゃうの〜…あたし強いのに、うぅ〜…」
「うんうん、辛いね、でも焦らないでゆっくり休んで、明日から頑張ろ?」
「う、ん……」
元気で活発で、強気なてごちゃんは、反面少し弱くて脆い部分もある。静かで周りの誰の目もない保健室で、こうやって泣くことも多い。
「慶ちゃんは、優しいね…」
…優しくなんてないよ。
そうやって、俺だけの前で泣いてればいいなんて思ってるの、知らないだろ?
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わらびもち(プロフ) - ゆりさん» ゆりさん、コメントありがとうございます…! 書きながらシゲに感情移入しすぎて泣きそうになっていました…(?)あたたかく見守ってくださると嬉しいです!! (2019年12月16日 20時) (レス) id: a63c9a7a8f (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - こんにちは!とても素敵なお話をありがとうございます。まっすーと結ばれて欲しいけれど、シゲも幸せになって欲しい、と少女漫画なNEWSを楽しく拝読してます! (2019年12月16日 6時) (レス) id: ce09a2a995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらびもち | 作成日時:2019年12月14日 22時