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コン、コン、
「失礼します」
「はいはい、あー、てごちゃん、また貧血起こした?」
小山慶一郎です。ここで保健室の先生で勤務し始めて結構経つけど、常連の子は何人もいて。
そのなかでも、トップクラスに常連な子がまたやってきた。擦り傷を作ってたまに来るぐらいの、珍しい子が連れて。
「まっすーが連れてくるなんて珍しいね。友達だったの?」
「ううん、たまたまぶつかっちゃって、倒れたから慌てて」
「可愛いもんね、一目惚れした?」
「小山うるさ。いいから早く看病してあげて」
「こら、先生つけろって」
てごちゃんをベッドに寝かしつけながら、いつものやりとり。起こしたら可哀想だから、小声だけどね。
まぶたの裏とか、体温とか、軽く見てみたけどやっぱり貧血かな。もともと貧血気味な子だけど、朝食でも抜いちゃったかな。
そう思ってたら、ふるふると瞼を開けた。
「あ、れ…あたし、」
「起きた?倒れちゃったんだよ、まっすーが運んでくれたんだ、お礼言いなね」
「まっ、すー…?」
「俺、増田貴久。3年だよ」
「あっ、そうだったんだ…!ですね、ごめんなさい、あたし…!っ」
「起きなくていいから!」
ふらふらした体で起き上がろうとするから、支えようとしたらまっすーが先に支えていた。
「ごめんなさい……重かったでしょ…」
「ううん、軽すぎて心配になった。ちゃんと食ってんの?」
「食べてますよ、今日はちょっと、急いでて食べられなかったけど…」
「それじゃん、ちゃんと食べなきゃ。あと、敬語使わなくていいよ。名前は?」
「手越、祐子…」
「手越ね、もう倒れるなよ?」
そう言って頭を軽く叩くまっすー、ちょっと青白かった頬を染めるてごちゃん。
…おいおい、ピンク色の空気出ちゃってんじゃん。恋始まっちゃってんじゃん。
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わらびもち(プロフ) - ゆりさん» ゆりさん、コメントありがとうございます…! 書きながらシゲに感情移入しすぎて泣きそうになっていました…(?)あたたかく見守ってくださると嬉しいです!! (2019年12月16日 20時) (レス) id: a63c9a7a8f (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - こんにちは!とても素敵なお話をありがとうございます。まっすーと結ばれて欲しいけれど、シゲも幸せになって欲しい、と少女漫画なNEWSを楽しく拝読してます! (2019年12月16日 6時) (レス) id: ce09a2a995 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わらびもち | 作成日時:2019年12月14日 22時