28小山side ページ28
栄養失調と脱水症状に、高熱も出ていた手越は、未だに眠り続けている。
精神的なショックも大きかっただろうし、目覚めるのが怖いのかな…。
今日はタイミングが合ったから３人でお見舞いに来て、俺が手を握ってその真っ白な顔を覗き込んでいると、
ピクっとその指先が動いてまぶたが震え、ゆっくりとその大きな瞳が開いた。
「手越…！」
思わず涙声で言うと、ベッドの傍らで思い思いの時間を過ごしていたシゲとまっすーも集まってきた。
手越はゆるく瞬きを繰り返し、やわらかく微笑んだ。
「ただいま、けーちゃ、しげ…まっしゅー」
「まっしゅーて。もう3歳児じゃないんだからぶりっ子すんなよ」
まっすーが泣きそうな声で鋭いツッコミをいれると、手越は目を丸くした。
「え？どういうこと？」
いつの間にか鏡を持ってきていたシゲ、これもあのはじまりの夜と同じで笑っちゃうね。
鏡を受け取り自分の顔を見た手越は、口をあんぐり開けて、
「えーーーーっ！？まぁじでぇ！？！？」
と、何日も眠り続けたやつと思えないぐらいの声量で叫んだ。
「手越、うるさい！ここ病院！」
「あっ、ごめ！ て、え、なんで！？俺、あれ！？3歳児じゃなかったっけ！？あれ！？」
「自分で元に戻る薬探しあてて飲んだんだろ！ そんなとこでチャレンジャー精神発揮すんなよ！」
「えー、…あ！思い出してきた、そうだそうだ！ やったー、生きてた！戻った！勝ったー！！！」
「うるせぇなぁ！！」
「はははは、わりぃわりぃ笑 ははは笑」
「本気で心配したんだよ、手越…？」
「ごめんってー！…もう3歳児は懲り懲り！ 俺のこと可愛すぎて、みんなメロメロなんだもん！ 恥ずかしいったらありゃしない！ …なんつって！」
「てごちゃん、もう〜笑」
「自惚れんなよバーカ」
いつもの和気あいあいとした雰囲気が戻ってきた中、まっすーだけ黙ったままじっと手越を見ていた。
「まっすー？」
それに気づいた手越が声を上げると、椅子から立ち上がったまっすーがぎゅっと手越を抱きしめた。あたふた困惑して真っ赤になる手越。
「てごし、ありがと……。もどってきてくれて、生きててくれて…ありがとうっ………」
「……、……ふぇ、」
まっすーの肩から顔を出している手越の目がみるみるうちにうるみ、ボロボロと涙がこぼれていく。
我慢していたものが爆発したのか、それはそれはこどものように顔を歪め、わんわん泣く手越が、みんな愛しくて仕方なかった。
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ぽよよよん(プロフ) - わらびもちさん» 完結おめでとうございます！こんなに一気に完結させるなんて尊敬です(>_<)(ダラダラと書く人)わらびもちさんが書くかわいい手越くん、これからも期待してます(^○^) (2018年5月28日 21時) (
レス) id: d866031783 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - 読みました！なんか…こういうの書けるってすごいな…！私もがんばるのでわらびもちさんもファイトです！ (2018年5月28日 4時) (レス) id: 7d78faf193 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - ぽよよよんさん» 前作の長編、大好きでしたo(*ﾟ▽ﾟ*)oありがとうございます、無理やり完結させてしまいました……笑 (2018年5月28日 1時) (レス) id: a63c9a7a8f (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - ゆーりさん» はじめまして、ありがとうございます、そう言って貰えて本当に嬉しいです！深夜に完結させてしまいましたので読んでください！笑 (2018年5月28日 1時) (レス) id: a63c9a7a8f (このIDを非表示/違反報告)
ぽよよよん(プロフ) - わらびもちさん» えええ(>_<)それは嬉しいですっ！沢山更新してくれてありがとうございます！ドキドキする展開でたまらないですね(^○^) (2018年5月27日 22時) (レス) id: d866031783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらびもち | 作成日時：2017年11月19日 17時
