11増田side ページ11
「…落ち着いた？少しは」
「……ん、ごめ、ん……ぐしゅ」
とりあえず人気のないところと思い、近くの公園の隅にあるベンチに連れてきた。
はじめは大泣きしていたが飲み物を渡したり頭を撫でたりしているうちに徐々に落ち着きを取り戻してきたてごし。
まだ目が真っ赤で顔は涙と鼻水でぐしゃぐしゃだけど。ハンカチで拭ってやると、じぶんでできりゅ！と奪い取られた。元気出てきたな。
「それにしても、派手にずっこけただけで大泣きするとか、あなたほんと子供ね」
「なっ…！ちげぇよ！それでないたんじゃねえし！」
「え、違うの？」
「まぁ、それも、あるけど……、その」
いつも真っ直ぐに見据えてくる瞳がすこし気まずそうに下を向く。
その視線を追いかけるように覗き込むと、逃げられないとわかったのだろう、恐る恐るといったように口を開いた。
「まっしゅ、きょうさ、おれのためにふくえらびにきてくれたんでしょ」
「…まあね？ マスタイリングの経験値として」
「ちがくて、その……おれをさ、げんきづけようと、して」
思わず言葉を失った。
言ってしまった、というように顔を赤くしたてごし。
…マスタイリングの一環、っていう気持ちがゼロなわけじゃない、でも。
いくら気丈に振舞って、子供になってしまった自分を受け入れているように見えても、悩んで泣いて、熱を出すぐらい、こいつは心も、弱っているはずだ。
昔からこいつは、自分が弱っている時ほど、強くあろうとするから。
だから、ちょっとした気分転換になればいいっていう思いだった。
それに…。
「そういうまっしゅのきもち、わかってるのにさあ、おれ…、やっぱり、こどもふくとかたくさんみてると、ずっと永遠にこのままなんだなあって、つきつけられてるきがしちゃって…」
「こどもってたのしいよ、なんでもたのしくてさあ、すぐころんだりちょっとうごきにくいけど、でも……」
「こわい、こわいよ……ずっとこのままだとおもったら、おれっ…」
また静かに泣き始めたてごしをそっと抱きしめる。
どんなに弱くても、小さくても、なんでも。
どのてごしだって、俺らは好きだし、離れないよ。
だから、元に戻るまでは、強くあろうとする隙間に、ほんの少しだけ、泣き崩れる日があってもいいんじゃない？って。
そんな思いが伝わればいいって思いながら、その小さな体をもっと強く抱き締めた。
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ぽよよよん(プロフ) - わらびもちさん» 完結おめでとうございます！こんなに一気に完結させるなんて尊敬です(>_<)(ダラダラと書く人)わらびもちさんが書くかわいい手越くん、これからも期待してます(^○^) (2018年5月28日 21時) (
レス) id: d866031783 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーり(プロフ) - 読みました！なんか…こういうの書けるってすごいな…！私もがんばるのでわらびもちさんもファイトです！ (2018年5月28日 4時) (レス) id: 7d78faf193 (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - ぽよよよんさん» 前作の長編、大好きでしたo(*ﾟ▽ﾟ*)oありがとうございます、無理やり完結させてしまいました……笑 (2018年5月28日 1時) (レス) id: a63c9a7a8f (このIDを非表示/違反報告)
わらびもち(プロフ) - ゆーりさん» はじめまして、ありがとうございます、そう言って貰えて本当に嬉しいです！深夜に完結させてしまいましたので読んでください！笑 (2018年5月28日 1時) (レス) id: a63c9a7a8f (このIDを非表示/違反報告)
ぽよよよん(プロフ) - わらびもちさん» えええ(>_<)それは嬉しいですっ！沢山更新してくれてありがとうございます！ドキドキする展開でたまらないですね(^○^) (2018年5月27日 22時) (レス) id: d866031783 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：わらびもち | 作成日時：2017年11月19日 17時
