鍵と出会い ページ7
「え?」
男性が左右を見てから、私の方を見る。
他の人とでも思ったのかな。
男性の方に駆け寄って拾った鍵を渡す。
「あ、これ、」
『違いました?』
「いや、俺のです、」
そう言ってポケットにしまいこむ男性。
「ありが...、」
『もしかして、』
「...あ!」
お礼を遮ってしまったけれど彼も気づいたようで、
『あの時の、』
「この間は、ほんとにすみませんでした。」
『いえいえいえ。』
じゃあこれで、と言おうとしたとき。
「あの、いつもこの時間なんですか?」
『え?』
「昨日と今日似た時間に出会ったんで、」
『あー...、』
「あ、その、なんか偶然ですよね、」
忘れて下さい、なんて言いながら気まずそうにする。
『いや、大丈夫ですよ笑』
思わず笑ってしまう。
『昨日まで早かったんですよ?23時とか。』
「あんまり変わんないじゃないですか笑」
相手もつられたみたいで笑ってくれる。
目元しか見えないけれど。
『また明日会ったら面白いですね。』
「ですね。てか俺いつもこのぐらいの時間なんでいつでもいますよ笑」
そんなことを言いながら、しばらく雑談をした。
『じゃあ、暗いので気を付けて下さいね。』
「こちらこそ、お気をつけて。」
5分ほど立ち話をして、私達は解散した。
『...いい匂いだったなあ。』
少し熱い顔を夜道の風で冷ましながら家に帰る。
...名前聞くの忘れた。
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ココア好きな人 - ふみさん» ありがとうございます。ぜひこれからも読んでくれると嬉しいです。 (2021年2月17日 22時) (レス) id: 6c1b48cd39 (このIDを非表示/違反報告)
ふみ(プロフ) - 続き楽しみにしてます!2人の恋が叶うと嬉しいです! (2021年2月15日 1時) (レス) id: 1952f281b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ココア好きな人 | 作成日時:2021年1月28日 22時