嫌嫌。 ページ11
ASide
「やあ、オクタビオ。お前の彼女だからどんな奴かと思ってたら、凄く素敵な娘さんじゃないか。」
「そりゃあ、俺様の彼女だからな！」
そう言ってフンと得意げに鼻を鳴らすオクタン。
いや、褒められてるの僕なのだが。
「すみませんね、家の息子が。何かご迷惑はお掛けしてませんか？」
奥さんの方は何やら口論している二人を横目に、不安げに聞いてきた。
『いえ、全く。むしろこちらがご迷惑をお掛けしてませんか不安です。彼はいっつも面白い話を聞かせてくれたり、二人で色んなことにチャレンジしたり、退屈することがないんです。』
「あの子は無神経だから……気付かない内に人を傷つけることも……。」
『オクタビオは無神経じゃありませんよ。きっと、彼は少し不器用なだけだと思います。本当は凄く優しいんですよ。悩みを聞いてくれたりもしてくれたんですよ。』
ここまで褒めちぎると、奥さんは目を見開いたあと、花が咲いたような笑みを浮かべて、「安心しました」と一言。
先程まで、あちらこちらに行く幼子を見る母親のような雰囲気であったのに、今は慈愛に満ちた顔で自分の彼女はどうたらこうたらと騒ぐ二人を見守っていた。
「あの子にも、そんな一面があったのですか。昔と変わりましたよ、息子は。きっと、Aちゃんがオクタビオに色んな感情を教えてくれたのね。母親として、感謝します。」
『滅相もございません。』
マダムらしい雰囲気を纏っていた奥さんだったが、今は一人のお母さんと言ったほうが納得いくような柔らかい感じである。
「重ね重ね、図々しい願いだけど……もし、息子が道を踏み外しそうになったら止めてやってくれませんか？」
『……勿論です。』
少なくとも、こちらのほうが長生きしている。
道を踏み外そうものなら、私は全力を以てして引き止めよう。
その役が私に務まるのであれば、喜んで引き受けよう。
一つの誓いを立てたところで、アナウンスが入る。
〘ダンスのお時間となりました。楽団が到着するまで、暫しの間お待ちください…………〙
普段からファーストキルやらリングの縮小やら物騒なアナウンスばかり聞いてるせいか、かなり呑気な内容だな、と思うのはこの場にいるレジェンドのみだろう。
アナウンスが入ってから、他のセレブは気になる人を誘おうと必死だったり、自分の伴侶をエスコートしたりしていた。
後者はともかく、前者はかなり厄介だ。
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おげげいげ - 夢者さん» コメントありがとうございます！良作だなんてそんな……応援、ありがとうございます！ (2021年8月4日 16時) (
レス) id: 2c07cc7f92 (このIDを非表示/違反報告)
夢者(プロフ) - Apex夢があまりにも少なくて更新停止だとかつまらないものが多いのですが、貴方様の小説はとても良作で楽しんで読ませて頂いてます。これからも応援してます。 (2021年7月28日 23時) (レス) id: f5c9ee6f69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おげげいげ | 作成日時：2021年7月4日 16時
