スタートライン ページ19
自分とオスマンはまだ適性がある方……だと思いたい。
『じゃあ宿の周り、人が多いところとか
侵入されそうな危険性のある場所からパトロールしよう。』
「了解。」
オスマンは細い目をさらに細くし微笑む。
手分けした方が効率は良いのだが、
万が一急襲された場合のことを懸念して、２人で動いた。
大通りの人混みを注視したり、
宿の裏口の前を小道を観察したり、と
細かく細かく見回りを続けた。
しかし、怪しい形跡は見つからなかった。
『……暗殺者の気配は見えないね。』
「不審な足跡１つも無いなあ。
今のところは、バレてないんとちゃうか。」
数時間かけてグルグル辺りを回ったが、
これといった発見はなし。
まだ敵の目が届いていないから安心、というわけでもない。
いつ何時、エーミールを狙う暗殺者が
宿まで侵入してくるか、全く分からない。
いずれにせよ、警戒は解けないというわけだ。
『暗黒街の方で、何か手がかりが掴めれば良いけど。』
「せやな。」
私が腕を組めば、オスマンが小さく頷く。
結局、何も分からぬまま
日が傾いた頃合いに２人で宿まで戻った。
────夕食の時刻になると、
ようやくグルッペン達が戻ってきた。
全員疲れ切った様子で、部屋に入るなり
へたり込むように椅子にドカリと座り込んだ。
『お帰り……』
「大丈夫ですか？」
エーミールが申し訳無さそうに尋ねると、
だるそうに背を丸くしたショッピ君が首を横に振る。
「正直キツかったですね。
スリもギャング崩れも多いし、まず路地自体が汚くて居心地悪いし。」
「暗殺者を探そうにも、
まともに会話できるもんの方が少ないわ。」
疲れた〜、と大きく伸びをするコネシマ。
そう簡単に情報収集はできないらしい。
「逆に貴族や騎士達は
どうやって暗殺者に依頼しとるんか聞きたいくらいやわ。」
「確かにね……」
「何か、必要な手続きでもあるんやないの？」
「そんな書類仕事じゃないんやから。」
わやわや、とまた全員揃っていつものだべりを始める。
そこで、トントンが顔を上げる。
「見回りはどうやった？
何か不審な影とかは？」
『いいや、全く。』
留守番していた5人はお互い顔を見合わせた。
「大先生なんて、お花買っちゃうくらい
暇を持て余してたからな。」
ロボロがそう皮肉って大先生に視線を投げる。
大先生がサボったことを察したトントンが眉をひそめ、
ギョッとした大先生が飛び上がった。
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サツキ(プロフ) - ひいいん😭何度読み返しても素敵な作品です（ ; ; ）のんびり更新待ってます‼️ (10月25日 3時) (
レス) @page40 id: 59b14c1ff4 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - めちゃめちゃ好きで先が楽しみです！！更新楽しみに待ってます！ (8月17日 15時) (レス) @page40 id: c9b27d8eb7 (このIDを非表示/違反報告)
亜鉛2℃(プロフ) - 更新ありがとうございます。お待ちしておりました。とても面白くて文に厚みがあって素敵です。これからも楽しみに待っております。 (2023年4月5日 15時) (レス) id: 7a92f90d7d (このIDを非表示/違反報告)
ユズ(プロフ) - 更新ありがとうございます〜!!!!!まじでずっと待ってました!!!!これからも頑張ってください!!!鬼面白いです!!!! (2023年3月29日 20時) (レス) @page39 id: 05561d72b4 (このIDを非表示/違反報告)
六時の虹(プロフ) - 更新ありがとうございます！この小説めっちゃ面白いです！ (2023年3月29日 10時) (レス) @page39 id: 6ed7129851 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そね
| 作成日時：2020年6月8日 23時
