目標は近くに ページ30
小柄な来客は、
相変わらず子供にしか見えない幹部の彼だった。
顔に垂れる「天」の字が揺れる。
私は咄嗟に敬礼した。
『お久しぶりです。ロボロ隊長。』
「えっ、久しぶり。A少佐！
ビックリしたわー。」
「…………どうしたんですかロボロさん。」
ショッピ隊長は、いつの間にか
見慣れた無愛想な顔に戻っている。
────よくもまあ、さっきまであんなに笑っていたのに急に誤魔化せる物だ。
「忘れ物取りに来たんやけど。
待って、2人は何してたん？
めっちゃ珈琲の良い匂いする。」
『ショッピ隊長に、
珈琲とタルトをご馳走になっておりました。』
「ご馳走しました。」
無表情のままピースするショッピ隊長。
それを見たロボロ隊長は、
ええー！ と驚嘆の声を上げる。
「あーでもだから、
ケーキの皿とフォークが残っとんのか…………
2人ってそんな仲良いの？
それとも、トントン状態？」
「何ですかトントン状態って。」
「全然初対面なのに、
突然ご飯とかお茶に誘っちゃって相手をビビらせる事。」
『そんな造語をお作りになったのですか。』
「作ったのはシャオロンやぞ。」
どうやら、トントン書記長は
各所でかなりいじられているらしい。
そしてシャオロン隊長がその筆頭らしい。
────流石、煽りポメラニアン…………
ロボロ隊長の質問に対して、
ショッピ隊長は平然と答える。
「いや、俺達知り合いなんで。」
否定するのも面倒なので、頷いておく。
『そうです。』
「そうなん!? 変なの！」
ロボロ隊長は、正直に意を表している。
────私もそう思います。
「で、ロボロ隊長は何を忘れたんですか。」
「紙挟むファイルやねんけど。
あ、あったそれや。」
ロボロ隊長は、
机の横にそっと立てかけてあった
クリアファイルを手に取った。
『無くさないよう、気をつけて下さい。』
「ごめんな、ちょっとバタバタしてて。」
ショッピ隊長が、ああ、と頷く。
「実戦訓練ですか。」
「そうそう。誰を選ぶかなぁ。」
唸りながら、ロボロ隊長は頭を掻いていた。
自分も納得して、ほうと感嘆する。
────はえー、実戦訓練か…………
『もうそんな時期なのですか。』
「なあ、早いよな。」
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ユズリハ(プロフ) - はじめまして、深夜にコメント失礼します。「段階を踏め｣のkn氏の「あのd/先/生は、10代の頃のd/先/生なんやな｣というセリフが本当に素敵で、読んだ後しばらくセリフを反芻してしまいました。u/先/生の気持ちを想像して本当に素敵な文章だと感じました。応援してます (2021年3月15日 4時) (
レス) id: 4ab6b4c8e6 (このIDを非表示/違反報告)
そね(プロフ) - どらこさん» コメントありがとうございます。日課だなんて恐れ多い位嬉しいです。どらこさんもお身体にお気をつけて下さい。 (2020年5月4日 20時) (レス) id: a65daacb18 (このIDを非表示/違反報告)
どらこ - 毎日そねさんの作品を見るのが日課になっています！素敵な作品をありがとうございます、お体にはお気をつけて！ (2020年5月3日 19時) (レス) id: f300ebe4ea (このIDを非表示/違反報告)
そね(プロフ) - しおりんさん» 前作からコメントありがとうございます。勝負の結果は最後まで悩んでいたのですが、お褒め頂いて嬉しいです。コロシアム良いですよね。 (2020年5月3日 18時) (レス) id: a65daacb18 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - (敬語出来てるかな？タメ口になりそうだな〜語彙力溶けてそう､､いや溶けた) (2020年5月2日 23時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そね
| 作成日時：2020年4月26日 0時
