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みんな程よくお酒が回ってきてあんまり周りが見えなくなってきてる。


私と遥輝さんだけだよ、酔ってないの。


遥輝さんは自分の限度を知ってるんだと思う

職業柄、酔って問題なんて起こせないからね。


私は緊張でお酒が喉を通らないだけ。

乾杯の時のビールと2杯目のサワーで終わってる

もうみんな4杯はいってるのに。



ももちゃんは進藤さんとも遥輝さんとも仲良くなってて楽しそう。


私はちょっと話に混ざるだけで、あとはずっと

ちびちび食べ物を口に入れてる。


未だに前は見れない。




『ちょっとお手洗い行ってきます、』


お化粧も少し直したかったし、

ポーチを持って個室を出てトイレに向かう




ふー、やっと気が抜ける場所に来れた。


冷静に考えて凄い状況だと思う。



限りなく恋に近い憧れだよ?

そんな人が目の前で話して笑ってるんだよ?


私が絶対に顔を見ないから目が合うことはないけど

目の前に存在してくれてるだけでそれはもう泣きそうで。



腕の筋肉見たいんだけど、

カーディガン羽織ってるから見えない、残念。


なんて 今ひとりだから思える。



女の子っぽく、軽くお化粧を直して

服と髪の乱れもチェックして、オケ!


気合いを入れるために首元に少し甘い匂いの

ボディミストもかけたし!




「Aちゃん、」

『?!』





トイレを出たところの壁の前に遥輝さんがいた。


心臓が出てくるかと思った、ってか出せって言われたら出せると思う。



『にしか、わさん』


噛んだ。

落ち着け私、深呼吸、スーハースーハー

....じゃなくて!!

落ち着けないよ!なんでここにいるの!!



『どうされたんですか?』

「こうでもしないとAちゃん話してくれなさそうやから」

『あはは、ごめんなさい緊張してて』


絶対に笑顔が引きつってる。

筋肉が硬くなってうまく笑えない!!


「ファイターズのファンなんでしょ?誰のファンなの?」


ゔ、1番聞かれたくなかったことを...


『チームが好きなんです、みなさんのファンですよ!』



うまく避けたぞ、よくできました。


「ふーん、そうなんや」



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作者名:apple | 作成日時:2016年8月9日 23時

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