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動揺を隠せない顔で課長を見ると、

「気合入れてきてよかっただろ?」

ってすごく小さい声で。


どういうこと?

課長と遥輝さんが知り合いなの?


動けない私に、隣にいたももちゃんが

「ねえA!!西川さんだよ?!」

ってこれまた小声で揺さぶってくる。



課長に促されて遥輝さんが座ったのは私の前の席


前を見れない 、



動けなくなってる私の代わりにももちゃんが

「課長、お知り合いだったんですか?」

「まあちょっとね、飲み屋で仲良くなったんだよ。んで横のイケメンは共通の知り合い」

「はじめましてー、西川って言います」

「はじめまして、進藤です」

「はじめまして」

『は、じめまして』


無理無理、声が出ない。



「ごめんな、こいつファイターズのファンでさー 笑」

「あ、そうなんすか?ありがとうございます 笑」


よかった 遥輝さんのファンってことは黙っててくれてる。




遊びがすごいって話はちょくちょく聞いてる

モテるからね、うん。



もし好きだってことが伝わって遊ばれるなんて

ことになったらたまったもんじゃない。

いくら好きでもそれは嫌だ。


まあ、まず遊んでもらえるような可愛い子じゃないけどさ。



『課長、私が遥輝さんが1番好きってこと言わないでください』

「まあいいけど、」



お酒を飲んでも、食べ物を食べても何も味がしない。


前を見れない。



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作者名:apple | 作成日時:2016年8月9日 23時

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