カサブランカ・キス【Ren.M】

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「あ、ここで大丈夫。





送ってくれてありがとう。」







自分が住んでるマンションから少し離れたところに







タクシーを停めてもらった。









なんで少し離れたところかって？







だって、ゲームをし合う仲になったとはいえ、







常にアンテナを張っておかなくちゃ







弱みを握られたら負けると思ったから。









『家まで送らなくて大丈夫？』







彼は車から降りずに窓から顔を覗かせながら







言った。









「うん、大丈夫。





ありがとね、おやすみ。あ、またね。」









そう言ってタクシーを後にして







家の方向へと向かおうとすると、







バンッとドアが閉まる音がした。









ビックリして後ろを振り返ると、







その動作と同時に腕を引かれて







思わずよろけてしまった。







彼は、そんな私を胸で受け止めてくれた。









お互いを抱き締めている形になっていることに







気付き、







離れようとすると







背中に回されていた手の力が強くなり、







離れることができなかった。

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