初めてお笑い以外を知った君へ【Koji.M】 (ページ9)

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第８話ページ9

結衣が携帯を耳に当てようとしたのを敢えて

スピーカーにしてもらった。

田辺「あ、もしもし？翔太くん？今いい？」

渡辺(電話の声)「いいよ、まだ始まってない。どした？もうすぐ会えるじゃん？」

なべしょ先輩、そんな甘い言葉言うんだ…。

うわー…、聞きたくなかったなー…。

自分からスピーカーにしてもらったくせに

そんなことを言うのは失礼か。(笑)

田辺「うん/////

そうなんだけどさ、今から陽那、

部活見学しちゃダメかな？」

渡辺(電話の声)「あー…、多分いいと思うけど、

一応、キャプテンに確認してみるわ。

放課後どっか２人で寄んの？」

田辺「そうなの！実はね、陽那に恋の予感がき…」

私「あーー今日はいい天気だなぁ！」

と結衣がいらない情報というか、嘘の情報を

言いかけたとこでわざと遮った。

渡辺(電話の声)「なに？(笑)

陽那、恋してんの？(笑)」

私「してないから！！

クラスメイトと喋っただけ！！

ていうか、

いつも私がなべしょ先輩をいじる側なのに、

いじれるとなったら

嬉しそうにすんのやめてもらえません？」

渡辺(電話の声)「いや、だって面白いじゃん。

てか、

あの陽那がクラスメイトと喋っただけでも

すげーじゃん。男子だろ？」

私「まぁ…」

一方的に喋りかけられたっていう方が

正しいんだけどね…。

田辺「しかも、うちのクラスで１番人懐っこくて

目立ってる男子とだよ！？」

渡辺(電話の声)「すげーじゃん。進歩したな…。

俺も色々と後で聞かせろよ、陽那」

私「なんにもないから！！」

田辺「でも、尊敬してるんでしょ？(笑)」

渡辺(電話の声)「は、なにそれ？(笑)」

田辺「お笑い面で尊敬してるらしい。(笑)」

渡辺(電話の声)「それ、やっぱり恋

始まってんじゃん。」

私「尊敬はしてるけど、

始まってないから！！」

という話をしてたら体育館に着いた。

さっきまで

電話で話してたなべしょ先輩を見かけて

電話を切って、

結衣はすぐに彼の元へ駆け寄った。

そんな急がなくても逃げないから。(笑)

と思いつつも、

私も小走りで結衣に付いて行った。