えまの初恋

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そう思ったら、なんだかまた
まっすーに振り向いてもらいたくなって、

まっすーが座ってるソファに向かって
歩き始めたら、
ちらりと横目でわたしを見たまっすー。
あ、初めて見てくれた？っておもって
ちょっと嬉しくなったのも束の間。
雑誌を持ったままソファから立ち上がった。

そしてテーブルのところの椅子へ移動して
何事も無かったかのようにまた捲り始める。

…もう。なにさ。
ちょっとでも、いまなら受け入れてくれるかもなんて思ったわたしがばかだったや。

いらいらしながら、ソファに前足をかけて
ぴょんぴょんジャンプする。
家にあるソファも、こうやってのぼるの。
パパがリビングに戻ってきた時に、
自分でのぼれたの〜♡って褒めてくれるんだ。

だから、今回も、のぼれた！！って思ったら、
後ろ足が引っかかってもつれてしまった。
重心が後ろにかかって、落ちる！！って思って
硬い床の衝撃に身構えてぎゅっと目をつぶったのに、やってくるはずの痛みはなくて。そっと目を開けると。

…パパとも、けいちゃんとも、しげともちがう、大きな手に抱えられてた。

はぁ、って息をついたまっすーの顔を、まじまじと見てしまう。

おもったより目が鋭くて、頬がつやつやで、唇も、厚い…。
そして、パパとは違うけど、この人からも甘い香りがした。
そこで、こんな近くでまっすーを見たのは初めてだってことに気づく。
わたしの胸はどきどき高鳴っていた。

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