同じ言葉 ページ41
「それでその子が言ったんです。
『僕にはまだ難しいことは分からないけど、
いつかきっとAみたいに全部理解できるようにするから。
だからそれまで、その本を持ってていい？』
・・・って」
轟「本って・・・それか？」
「これと全く同じものですけどこれではないです。
3冊ほど、同じ本を用途ごとに使い分けてるので。書き込み用とか、そんな感じに」
小花衣はそう言うと、少し困ったように笑って言った。
「まぁ・・・もうずっと会ってないですし、
多分、忘れてるはずですけど」
轟「・・・そうか」
小花衣は、その本を見るたびにそいつのことを思い出してるのか？
ーーーーチクン。
轟「・・・？」
また、胸が痛くなった。
でもさっきとは違う。
チクチクとした嫌な痛み。
轟「・・・なあ、その本見てもいいか？」
「どうぞ」
小花衣から本を受け取って、パラパラと捲って中を見る。
轟「・・・・・・」
・・・ああ、なるほど。
確かに難しい。
小花衣は多分、全部理解してるんだろうけど。
・・・でも、確かに。
俺はこの時、会ったこともない、小花衣が本を渡したというそいつに共感した。
轟「・・・面白い」
「へ・・・？」
轟「内容は難しいけど・・・書いてあるのは面白いな」
「・・・っ！」
轟「なあ、小花衣。
俺にはまだ難しいことは分からねえけど、お前みたいに理解してみたい。
・・・だからそれまで、この本持っててもいいか？」
「あ・・・」
轟「・・・！」
何、言ってんだ俺。
無意識のうちに口が言葉を紡いでいた。
轟「・・・いや、わりぃ・・・。
やっぱり・・・」
「・・・っ、」
轟「！！こ、小花衣・・・？」
なんで、
なんで、
.
泣いてるんだ？
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クロスロード - 雷光さん» すみません！知人の名前でレスしてしまいました…ごめんなさい！ (2017年12月22日 20時) (
レス) id: b70e13ff5f (このIDを非表示/違反報告)
狩歌 - 閲覧ありがとうございます！グダグダ長いことやっておりますが、こっから急展開させていきたいと思います！今後ともよろしくお願いします！！ (2017年12月22日 18時) (レス) id: b70e13ff5f (このIDを非表示/違反報告)
雷光 - 何この初展開！続編めっちゃ気になる！頑張って書いてくださいね！ (2017年12月21日 21時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：クロスロード | 作成日時：2016年12月7日 20時
