温かい苦しみ ページ40
【轟side】
轟「大切なもの・・・？」
「そうですよ」
小花衣はそういうと、再びその本を撫ぜる。
・・・そういや。
轟「そういやさっき、
科学が好き、とか言ってたよな？」
「あ・・・聞いてたんですか？」
轟「なんで好きなんだ？」
そう問うと小花衣は本を見つめながら口を開いた。
「私の両親の影響です。
両親の趣味で、2人の事務所に研究室があっ
て・・・」
轟「事務所・・・?」
「私の両親は、元プロヒーローだったんです」
轟「！・・・そうだったのか」
「私が小さい頃に引退してますけどね」
小花衣の両親が元プロヒーロー・・・。
・・・でも今日の小花衣を見ていたら、そこまで不思議でもないか・・・。
・・・むしろ納得だ。
「私は小さい頃同年代の友達がいなかったので・・・。その研究室に入り浸ってたんです」
轟「・・・・・・」
「そんなんだから余計気味悪がられて友達賀できなくて・・・。まあ別に良かったんですけど。
・・・でも、たった1人だけ、
科学が面白いって言ってくれた子がいたんです」
轟「そうなのか？」
「はい。
公園で会った同い年の男の子です。
・・・自分が好きなものを理解してもらえたのは、やっぱり嬉しくて・・・」
轟「・・・っ！」
小花衣はそう言うと、笑った。
それは
今までみた
シニカルな笑みでも、
悪戯な笑みでも、
嗜虐的な笑みでもない、
無邪気な笑顔。
何故かその笑顔を見て、
胸が苦しくなった。
・・・でも、嫌な感じじゃない。
そんな苦しさだった。
そして、このとき俺はまだ知らない。
これから俺が小花衣に対して、
何度もこの温かい苦しみを感じることになることを。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 34人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
クロスロード - 雷光さん» すみません！知人の名前でレスしてしまいました…ごめんなさい！ (2017年12月22日 20時) (
レス) id: b70e13ff5f (このIDを非表示/違反報告)
狩歌 - 閲覧ありがとうございます！グダグダ長いことやっておりますが、こっから急展開させていきたいと思います！今後ともよろしくお願いします！！ (2017年12月22日 18時) (レス) id: b70e13ff5f (このIDを非表示/違反報告)
雷光 - 何この初展開！続編めっちゃ気になる！頑張って書いてくださいね！ (2017年12月21日 21時) (レス) id: 681e9ae1c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クロスロード | 作成日時：2016年12月7日 20時
