孤独な君は鏡の私 ページ9
『ここ、どこ…？』
ぼやぼやとした視界をぬぐい去るように目を擦る。
シーツが白。
私のはピンク色のはずなのに。
そして、感じる違和感。
布団を捲ってみると、灰色がかった水色の髪の彼が、腰に手を回していた。
(あ、そっか。ここ、弔の部屋だ)
私の寝るとこないからベッド貸してもらったんだった。
少しずつ鮮明になっていく昨日の出来事。
おとぎ話のような、夢のような記憶。
『とむら』
呂律の回らない声で、確かめるように名前を呼んだ。
「…何」
『あれ、起きてたの？』
「今、起きた」
普段よりゆったりした声は少し掠れてる。
擦り寄せるようにして抱きつく様子は、まるで幼子。
寝起き、すごく悪そうなのに意外。
案外甘えたさんなのね。
猫のように柔らかい、灰色がかった水色の髪をそっと撫でた。
__
____
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「おはようございます」
『おはようです。黒霧さん』
「おや。珍しいこともあるんですね」
「なにがです？」
椅子を引いて、まだ寝ぼけている弔を席に座らせる。
「死柄木弔が起きてくるなんて珍しい」
『ふぇ〜、朝弱いんですね。
あ、ありがとうございます』
差し出されたコーヒーとトースト。
トーストには目玉焼きとベーコンが乗っていて美味しそう。
朝食も用意してくれるなんて…。
黒霧さん、ステキ。
そんなことを考えながらコーヒーを一口含み、トーストにかぶりついた。
もぐもぐ。
そういえば昨日のお昼から何も食べてなかったなあ。
通りでお腹空いてるわけだ。
『美味しいです』
「それはよかった」
「…」
『…？弔、そんなに見つめないでよ』
落ちつかない。
食べたいのかと思ってパンを差し出してみたけれど、どうも違うらしい。
『どうしたの？』
彼は何も言わない。
ただ私をじっと見つめて、目を細めた。
変なの。
『あ、そうだ。私、買い物に行きたいの。』
「なんで」
『だって服とかいるでしょ？
家から通帳とってきてから一緒に買い物行こ？』
彼は、少し驚いた様に目を開いた。
まさか、お金持ってないと思ってたのかな
『心配しないで。私、貯金は沢山あるの』
「そうじゃなくて」
『え？』
「…なんでもない」
変なの。
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あかね - 私の夢主の名前が紅月なので、私は紅月紅月 になってとても驚きましたw (2020年9月27日 21時) (
レス) id: bb192a1a19 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの少女 - 読んでてすごく面白いと思いました。これからもがんばってください！ (2019年8月6日 2時) (レス) id: e0a9634d23 (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - 幸哉さん» コメントありがとうございます！甘い展開というよりかはストーリーメインなので、これからも楽しんで貰えたら嬉しいです！ (2019年5月9日 22時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
幸哉(プロフ) - あれ…？死柄木推しじゃないのになぜか読み進めてしまいます…！ (2019年5月9日 22時) (レス) id: 809d850eff (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - akuaさん» ありがとうございます。とても励みになりました(^^) (2019年5月9日 15時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のえたん x他1人 | 作成日時：2018年10月28日 15時
