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この雨の中傘もささずにベンチに座っているその人は、代わりにとでもいうように、深くフードを被っている。
いつもなら知らないふりして通り過ぎるけど、今日はなんだか気分が良い。
誘われるように、私の足は自然と公園へ伸びていた。
危ないとは思わなかった。
こんなでも一応日本有数の名門校のヒーロー科に所属しているわけだし、自分の身を守る術くらい知っているから。
それに、退屈を凌げるならどうなってもいいとすら考えていた。
私の手は傘を持って、スルリ、と目の前の彼の前へ伸びる。
『使ってください。
私の家、すぐそこなので』
男は顔を上げない。
ただゆっくりと、彼の手が伸びて。
そして
傘が、崩れ落ちた。
塵になったそれは雨によって流れ、流され…
そしてなにもなくなった。
氷のような瞳が私を貫く。
雷のような衝撃が私を貫く。
ああ、雨音によって閉鎖されたここはまるで___
「こっちへおいで、A」
知らないはずの、名前を呼んだ。
5本指が腕を掴む。
雨に濡れたその手は、私と同じくらいの温度だった。
「俺が攫ってあげる」
(私の、理想郷)
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あかね - 私の夢主の名前が紅月なので、私は紅月紅月 になってとても驚きましたw (2020年9月27日 21時) (
レス) id: bb192a1a19 (このIDを非表示/違反報告)
通りすがりの少女 - 読んでてすごく面白いと思いました。これからもがんばってください！ (2019年8月6日 2時) (レス) id: e0a9634d23 (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - 幸哉さん» コメントありがとうございます！甘い展開というよりかはストーリーメインなので、これからも楽しんで貰えたら嬉しいです！ (2019年5月9日 22時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
幸哉(プロフ) - あれ…？死柄木推しじゃないのになぜか読み進めてしまいます…！ (2019年5月9日 22時) (レス) id: 809d850eff (このIDを非表示/違反報告)
のえたん(プロフ) - akuaさん» ありがとうございます。とても励みになりました(^^) (2019年5月9日 15時) (レス) id: ee02f97984 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のえたん x他1人 | 作成日時：2018年10月28日 15時
