ねえ、かっちゃん。【爆豪勝己】 (ページ5)

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ねえ、かっちゃんページ5

かっちゃん、また、助けられちゃったね。

ありがとう。

私は大丈夫だから、他の人を助けてあげて。

声に出したはずの言葉は、
彼にはちゃんと聞こえなかったらしい。

彼は必死に何かを言っているようだが、
聞き取れない。

何を言っているんだろう。

久しぶりに話せたのに、
声が聞こえないなんて残念だ。

かっちゃん、何で泣いてるの？

かっちゃんは笑った方がカッコいいよ

いつもみたいに笑ってよ

そう言ってみたけど、

また声は届かない。

彼の声も聞こえない。

段々視界がぼやけてくる。

気を抜いたら眠ってしまいそうだ。

さっきまで温かかったはずなのに、

今度は冷たい。

ああ、もう死んじゃうのか、

割とあっけないものだな。

なんて一人で考えて笑ってみる。

またかっちゃんの顔が苦しそうに歪んで。

…何で泣いちゃうのかな。

最後の力を振り絞って、

口を開く。

かっちゃん、

ゴメンね、

最後にこれだけ言わせて下さい。

『ねえ、かっちゃん。

大好き、ありがと』