第十五話 ページ15
.
Aが風呂に入ってる間、テレビでVリーグの試合を見ていたところに、通知が鳴った。
俺のじゃない。Aのスマホから。
ふと画面を見れば�犁榻勠瓩班充┐気譴討い襦�
なにあいつ、いつの間に宮と連絡先なんか交換したの⁇
その事実に存外ムカついて、怪訝に思った。
罪悪感もなしにスマホを手に取る。
パスワード1234って、危機感なさすぎだろ。
悩み⁇ 相談⁇ 俺の知らないところで宮に俺の事で相談聞いてもらってたって⁇
「おい。お前なんで宮と連絡とってんの⁇」
俺の言葉の意味を理解すると不快そうに眉根を顰めた。
なに。見られたら困るのかよ。
やましい事でも隠してるのかよ。
弱ってるって何⁇ それで優しくされて宮に慰めてもらったわけ⁇
「言いたい事があるんなら直接言えよ。そもそもチームメイトに相談とかありえないから。それくらい考えたら分かるだろ」
この前Aの働く店に飲みに行った時、こいつと宮がやけに楽しそうに話しているのを見て、無性に苛立った。
お前俺の前でそんな笑った事ねえじゃん。
なあ、何でお前はそんな諦めたような目で俺を見るんだよ。
「だったら影でグチグチすんのやめろよ」
鬱陶しい。口から出た言葉はお前に、宮に
将又、俺に向けて。
この後まもなくこいつと俺は喧嘩になる。
Aの目つきが変わった。
喧嘩腰の俺の物言いにAがキレた。
付き合った後デートは無理って言った、人混み無理だし。
お前がそれでもいいっつったんだろうが。
好きじゃなかったら6年もわざわざ一緒にいたりしない。そんな事も分かんねえのかよ、なんで分かんねえんだよ。
「そんなに俺に不満しかないなら宮と付き合えばいいだろ‼ めんどくせえな‼」
言って、言い切って、それで
初めてこいつの泣き顔を見た。
涙が頬を伝って落ちていく。
この6年間。どれだけ喧嘩しても、別れても、こいつは泣かなかった。
そんな奴が今、俺の言い放った言葉に傷ついて泣いている。
何か言えよ、言い返すだろお前は。
なんだよ「もう疲れた」って。
なんだよ「終わりにしよう」って。
待てよ、
何で俺はいつも呼び止められねえんだよ。
待てって、A
翌日。練習から帰宅すると、あいつの私物が無くなっていた。
ポストに合鍵があった。
もう戻ってこない、とでも言いたげに
元からここにあいつは居なかったように。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1263人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：林檎 | 作成日時：2020年6月19日 16時
