第四十三話 ページ43
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古森君とさよならした後1人でとぼとぼ家までの道を歩いてた。
古森くんは、私の事をたくさん知っていた。
自分で話した覚えはないのに、じゃあ何故か⁇ って聞かれれば、信じ難いけどそういう事なんだろう。
迎えに来てくれていた話を聞いてから、次から次へと “忘れていた事”を思い出す。
(そういやAちゃんあのコンビニのアイス好きだろ⁇ チョコミントの、佐久早が言ってた今でも好き⁇)
私が一時期ハマってたアイスを冷凍庫に常備してくれてたのは誰だっけ。
(女の子って大変だよなあ、ああ見えて佐久早もすげー心配しててさ)
生理痛が酷かった日ソファーでうずくまる私のお腹を優しく摩ってくれてたのは、
(今の職場終わる時間遅いんだろ⁇ 家に着く頃には日付け変わってるらしいな〜)
仕事帰りお風呂にいつもお湯を沸かしてくれてたのは
(先週の9時金あの映画の再放送で録画し忘れてさ〜すっげー萎えた)
好きな映画録画し忘れても見れたのは
(一応飲み屋で働いてるのにお酒は強くならないんだなあ)
酔うと寝てしまう私を迎えに来てくれたのは
(まあ。あいつ口下手だし不器用な奴だけどさ、Aちゃんの事はほんとに大好きだったよ。これまじな)
1度も別れようって言わなかったのは
(だってあいつAちゃんの話してる時すげー笑うんだぜ)
何度も私を連れ戻そうとしてくれたのは
誰だっけ⁇
「あ……」
気が付けば涙が零れ落ちていた。
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作者名:林檎 | 作成日時:2020年6月19日 16時