第二十一話 ページ22
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その通りだと思う。
私と付き合っていたら大変だろうし、臣は可哀想だ。
私達、ヨリ戻すべきじゃなかったのかな⁇ なんて考えも頭に浮かんだ。
うまくいかない時はとことんうまくいかない。
そもそも私達うまくいってた時あったっけ。
それすらも今のこの状況下では思い出せずにいた。
この後あのメッセージを見て、そしたら臣はどんな顔して返信するんだろう。
眉間にシワを寄せて、あからさまに不快そうな顔をしてくれたら、そしたら私も少しは楽になるのかな。
そんな自分勝手で都合のいい事を考えている自分に溜め息をついていたら、自分のスマホが鳴って、画面を覗くと着信相手はまさかの侑君からだった。
「あーーーー‼ もしもし久し振りい〜声聞かせてえやあ」
「え⁇ 侑君⁇ どうしたの急に、もしかして飲んでる⁇」
「せ〜かい。今なあ、ぼっくんとショーヨー君と飲みに来てんねん〜」
突然電話をかけてきた侑君はかなり酔っている様子だった。
電話の向こうから「侑さん誰に電話してるんですか⁇」と日向君の声が聞こえて、それに侑君が答えると「え⁉ だ、ダメですよ‼」と日向君が驚いてる。
侑君曰く、付き合ってすぐチームメイトに私達の事を告白した時はやはり皆驚愕してたらしい。
それもそうだ。チームメイトが長年付き合った彼女と別れて、その上まさか他のチームメイトと付き合ったなんて。
気まずくなってない⁇ チームメイトの空気に悪影響とか大丈夫⁇ と、心配してたけど当時の侑君は「問題ないで‼ 皆ちょっとびっくりしてただけやわ」と言っていたけれど、少なくとも日向君にはかなり気をつかわせてしまったとおもう。
今だって電話の向こうで必死に侑君を説得する声が聞こえてくるし。
それも現在私の恋人である臣の事を思ってなんだろう。優しいね日向君は。
「えーやんか‼ 俺まだ傷心してんねんで…⁇ なあ、臣君とはどおなん⁇ ちゃあんとしあわせか⁇ Aちゃん」
「あー…、はは。幸せかなあ…」
うまく答えることが出来なかった。
嘘でも心配かけない為に幸せだよって言うべきだったな。
嘘でも……
「…またうまくいっとらんのか」
侑君の声のトーンが少し下がった。
その質問に私は何も答えられない。
「Aちゃんにはしあわせになってもらわんと諦めつかんやんかあ…」
幸せってなんなんだろう。
私は今幸せ⁇
多分違う。
むしろ、ツライ、かもしれない。
今までで1番。
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作者名：林檎 | 作成日時：2020年7月17日 0時
