黒い翼の天使。 (ページ5)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:6,926 hit

歌ページ5

｢ったく、いくら可愛くてもあの性格じゃぁなーっ｣

あの事件があった場所を後にしたエドワードとアルフォンスはもう夜遅いのでとっておいた宿に戻ってきていた。
夕飯も食べ終わったエドワードはベッドにダイブする。そんな彼を見てアルフォンスはくすくすと笑った。

｢でも、兄さんもムキになりすぎなんじゃない？｣
｢う、うるせぇなぁ...｣

口を尖らせるものの"少し言いすぎたかもな"と反省するエドワード。
それから少しなにか考えていたようだが次にアルフォンスが声をかけたときにはもう寝てしまっていた。布団もかけずに寝てしまった兄にアルフォンスは布団をかけてあげると電気を消してそばの壁に持たれ眠れはしないのだが、顔を伏せた。

......................................................

それから数時間後の真夜中。
満月の光が窓から差し込む静かな夜、エドワードはふと目を覚ました。

(トイレ、行きてぇ...)

この宿は値段の割に綺麗でいいのだがトイレが部屋についていない。
階段を降りた先にある共同トイレを使うため、エドワードは冷たい床に足をつけ、階段を降りた。
ひんやりとした空気に包まれる。
寝ぼけた目を擦りつつ、トイレへ入った。

・・・。

水洗トイレの水が流れる音がしたあと、トイレから出たエドワードは部屋に戻ろうとする。

(眠気覚めちまったなぁ...)

と、思っていた時。
宿の庭から歌のような声が聞こえた。

(誰だ...？こんな遅くに)

よく聞けばその声はとても透き通っていて満月の夜空に染み込むような声だった。
その声に吸い寄せられるかのようにエドワードは庭へと足を進める。

そっと、庭へ繋がるドアを開けた。