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アイドルなだけ。 ページ32

しげside


「え、しげ。なに座禅くんどるん?」
「ブームの再来なん?」

「ちょっと初心に返って雑念捨てなあかんと思ってぇ」


雑念、というにはあまりに大きすぎるけれど。

あかんあかん。公私混同したらあかんのや。



俺も、もうガキやない。
この気持ちの名前なんて分かりすぎるほど分かってる。

表情豊かな小作りな顔も、
ミルクティーみたいなええ匂いにも、
背中に腕を回したらすっぽり収まってしまうちっこい体にも、


友達だから。
だいぶ年下だから。
俺はアイドルやから。


そんな言い訳を跳ね除けるくらい惹かれてる自分がおる。
せやけど、俺はどうすればええんやろな…


『しげがキラキラしてるのもそうやっていっぱい考えてるからなんだと思う!』


またしても脳裏をAの顔がよぎった。


「あかぁぁぁぁぁん!」

珍しく時間ぎりぎりで来た神ちゃんが、目をまんまるにしてた。

「元気やなぁ」


「シャイニング重岡ァァァァァァ!!!!」

「なーんやそれ。サンシャインのパチモンみたいやな」

照史がひゃっひゃと甲高い笑い声を響かせた。




「じゅんたぁ」
「あ?座禅はせんぞ」
「や、そうじゃなくてさ、今日飯行かへん?」
「ええよ」

唐突な誘いも、深く聞かずにあっさり受け入れてくれる淳太。
仕事の話はやっぱり一番淳太に頼ってしまうねんな。




あまり酒に強くない俺は、とりあえず烏龍茶。
照史とか淳太はかぱかぱいくからほんますごい。

うじうじやってんのも馬鹿らしいと思い、単刀直入にいう。

「今のジャニーズWESTで、恋愛ってありやと思う?」


「は、はぁ!?!?!?」


めっちゃ裏返ってきた声が返ってきて、やっぱ俺何考えてるんやろ…と身を縮こませていると、


「グ、グループ内恋愛は禁止って、自分であんなにゆーとったやん!…え、神ちゃん?流星?まさかの照史!?!?!?」

「ちゃうわぼけぇ!このくっそ唇野郎が!脳みその老化が進んどるんちゃうか!女性相手やわ!」


淳太は勘違いに顔を赤らめた後、唇の下に手をやった。…やっぱ重いんかな唇。



「ってことは、好きな人がおるってこと?」

「…付き合ってる、とかそういうんやないんよ。せやけど、その…」



上手く言葉にできない俺を、淳太はすっと手で制した。



「ジャニーズWEST最年長、中間淳太として言わせてもらう」

「…ハイ」

淳太のおそろしく低い声。
分かってる。俺がどうしようもないのは分かってんねん…

人間なだけ。→←ふっきれただけ。



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設定タグ:重岡大毅 , 神山智洋 , ジャニーズWEST   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ひめりんご | 作成日時:2020年3月24日 0時

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