第41話 ページ42
バ「実は、それだけはデタラメじゃない、本当のことなんだ。じゃあなぜ、変更があったか?その理由は?」
バ「・・・・・・ところで、スケープゴートとしての適性は二つだ。」
バ「一つは、オレの話を疑わずに信じる思い込みの激しさ。もう一つは、罪を犯してでも叶えたい強い野望。」
バ「A・チェルクェッティはこの二点において強かったよ。ピアノにかける執着は本物だと、コンクール後に話して改めて感じた。」
カ「よせと言っている・・・・・・!」
バ「でも、困ったことにAのピアノの腕は本物だった。その野望には実力が伴ってしまっていたわけだ。」
カロンの制止を聞かずに語り続けるバロウズ
バ「このままでは放っておいても勝手に野望を叶えてしまう。オレの出る幕なんかない。」
バ「だがスケープゴートとしての適性を二つ同時に満たす人間はそう多くないし、ステラステージを長く泳がせたくもない。」
バ「どうにか今、この少年の野望を、利用できないか・・・・・・?」
バ「その答えは実に簡単だったよ。なぜなら・・・・・・。」
バロウズが次に発した言葉はAをさらに絶望のどん底へと突きつけるものだった
バ「ーーーオレの権限で、コンクールの順位を変えてしまえばいいだけだから。」
A「・・・・・・な・・・・・・。」
バ「毎日毎日、寝る間も惜しんでのピアノの練習ご苦労さん。でもそれ、意味ないんだ。」
バ「式典奏者なんて、オレがイエスと言えば西へオレがノーと言えば東へ・・・・・・どうとでもできちゃうんだよ。」
バ「・・・・・・最高の演奏をしたのに、式典奏者の座を逃す。そうなった人間に、エサをちらつかせたらどうなるかな?」
バ「飢えた野心は、目の前のエサしかし見えなくなる。・・・・・・しっかりその通りになったじゃないか、なあA?」
ズバッ!
カ「・・・・・・聞くな、走れ!!」
カロンは鎖で警備員達を怯ませその間にAの体に鎖を巻き付け引っ張る形で三人は部屋を出た
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作者名:ベルナデッタ | 作成日時:2017年10月29日 12時