【被虐のノエル】ノエル・チェルクェッティにはとても可愛い弟がいるようだ【男主】 (ページ2)

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第１話ページ2

司会「ーーーそれでは、今年度のラプラス・ピアノコンクール最優秀奏者の発表に移りたいと思います。」

A「・・・・・・・・・・・・。」

司会「みなさまもご存知のとおり、このコンクールの最優秀奏者は市の記念式典にて、ピアノを弾くことができます。」

司会「清く美しい音楽には退魔の力があるとされ、ラプラスの街をまた一年間、災いから守ってくれることでしょう。」

そんな決まり文句はあとにしてくれ。

こっちはもう待ちくたびれているんだ

ジ「そんなにそわそわしなくても結果は逃げないよ、A」

A「ジリアン、お前は相変わらずお気楽で羨ましいよ」

今僕に声をかけたのはジリアン・リットナー

僕の２つ歳上の友達だ

僕達は今ラプラス・ピアノコンクールに出ていた

記念式典でピアノを演奏すること・・・・・・。

それはここ、ラプラスに住む若い奏者にとっての最高の名誉であり、目標であり、憧れ。

そして、父母にプロピアノニストを抱える
僕、A・チェルクェッティにとってそれは義務。

今日は僕の姉であるノエル・チェルクェッティことノエル姉さんがコンクールを見に来てくれていた

僕からすれば姉さんの方がピアノを弾くのが上手だ。

だけど僕はチェルクェッティ家の次期当主ということもあり姉さんではなく僕が出ることになった

姉さんは僕に頑張れと言ってくれた。だから絶対に一番にならないといけない

・・・・・・でも、不安はなかった。

なぜなら今日まで寝る間も惜しんでピアノの練習をしたし今日の演奏も他の奏者とはレベルの違う・・・・・・完璧なものだったから。

司会「今年度の最優秀奏者・・・・・・そして栄誉ある式典奏者に選ばれたのは・・・・・・。」

そう、今の僕がそわそわしているのは別に結果発表を心待ちにしているからじゃない。

この後にある式典奏者のインタビューで何を喋ろうか・・・・・・それをあれこれ考えているからだ。

・・・・・・だから・・・・・・

司会「ーーーーーージリアン・リットナーさんです！！おめでとうございます！」

ジ「わあ、ホ、ホントに・・・・・・！？」

A「・・・・・・・・・・・・！？」

すると周りからジリアンへと拍手が送られる

ーーーそれは、何かの間違いだと思った。