トルアイアングル③...Ryosuke&Yuri... (ページ31)

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侑李の指先が触れた部分があつい。

もうどうしようもなく、
この熱が愛おしい。

休み明けも侑李とは何も変わらないまま、
勿論、涼介とも何も変わらないまま。

いっそ、この一年の出来事は全部夢だったんじゃないかと思う程に、何事もなく、ただ時間だけが過ぎて。

だけど、本当はずっと、
触れたかった。

あの日、
涼介に諭されたあの時。

撫でてくれたその手は、
とても温かくて安心した。

だけど、本当はずっと、

私は侑李にだけ反応するこの熱を、
もう一度感じたかった。

不意に黙って、自分が困ったような照れたような
微妙な表情になっている気がして俯く。

少しずつ、こういう時間が増えていって。

少しずつ、涼介を好きだった自分が消えて、
侑李を好きな自分が増える。

ねえ、伝えたい言葉が多過ぎるの。

このもどかしささえ伝えたくて、
どうやって伝えたらいいのか分からない。

A。と名前を呼ばれて、
なに？と尋ねた。

侑李「今日、もう当番ないよね」

A「あ、うん」

侑李「じゃあ、抜け出さない？一緒に」

何処へ、とか、何しに、とか。

そういう言葉はみんなどうでもよくて。

ただ、侑李と一緒にいたいという想いだけで、頷いた。