トルアイアングル③...Ryosuke&Yuri... (ページ26)

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圭人にも迷惑をかけてしまっている、
この状況がいたたまれない。

いつの間にか目一杯に力を込めていた握り拳には汗がじんわりと滲んでいた。

何か言わなきゃ、
何か。

侑李「ねえ。

…何か言うことないの」

A「っ、………ごめん、なさい…」

先にそう切り出されたら、これ以上だんまりを決め込む訳にはいかない。

どうにか絞り出したのは、
今更、何とも薄っぺらい謝罪の言葉。

侑李「…そのごめんは、何に対してのごめんなわけ？」

A「え…、と。それは…、」

侑李「Aはさ、僕が怒ってると思う？」

決して静かな場所ではない。
それでもはっきりと聞こえた、侑李の溜め息。

今の侑李を形容するのに、
『怒っている』以外はない。

だけどそれを馬鹿正直に答えていいのだろうか。
怒らせてるのはどう考えても私なのに。

ごめんなさい、のその先が分からなくて
そんな自分が情けなくて

喉の奥も
鼻の奥も
耳の奥も

全部にじんわりとした痛みを感じていた。