トルアイアングル③...Ryosuke&Yuri... (ページ2)

今日:22 hit、昨日:0 hit、合計:55,877 hit

102 ページ2

涼介｢…………A、｣

それは、泣いているのかと思うくらい。

今まで聞いたこともないくらい。

消えそうな声で、涼介が私の名前を呟いた。

A「……涼、介？………っ！！！！」

その切な過ぎる声に不安になって
後ろを振り向いた、

瞬間、

何が起きたのか分からなかった。

私の左頬を撫でた涼介の手のひら。
それは素早く後頭部に移動して
固定されたまま、

唇が、触れた。

混乱する頭の中で、

侑李の顔が浮かんだ。

触れてしまった、と

理解したのと同時に視界がぼやける。

咄嗟に涼介の身体を強く押して離れようとしても、
背中に回された腕の力も、私の腕を掴む手の力も緩まない。

なんで？

どうして？

背けた顔を思い切り下に向ける。
その勢いで、涙が落ちたのが分かった。

涼介「………ごめん、」

一度涙の存在を認めると、どうしたってそれが溢れ出てきてしまう。

泣いたってどうにもならないのに。

A「ごめん、って…なに？

何でこんなことするの。
何で……、」

応援してくれてるんだと、思ってたのに。