まぶしい ページ32
「はぁ……」
跡部さんから逃げてきて早20分
私はどうしていいか分からず1人蹲っていた。
1人で悩んでいてもどうしようも無いことは重々承知だが、彩夏とつぐちゃんが気持ちを伝える為に頑張っている以上私もひと頑張りせねば。と謎の意地が生まれているのだ。
？「おーい」
「は、はい、！」
切原「何でそんなに驚いてるんだよ。さっきから呼んでたぜ」
「ごめん、考え事してて…」
赤也君は大丈夫か？と私の顔を覗き込む
「いや、そのー…」
言っていいのか駄目なのかが分からないから
上手くごまかせないな。
赤也君は頭の上に?を浮かべるが、何かを察したのであろう話を逸らしてくれた。
切原「そういえばよ！ここもう電波通ったんだぜ」
そうか、よくよく考えればここは完全に管理されている島。
遭難計画がバレた為もう電波を切る必要性もなくなったのか。
いやぁ……盲点。
切原「それでさ、A」
まじまじとこちらを見ながら赤也君は口を開いた。
切原「夜とか、電話してもいいか」
「い、いいよ？全然」
切原「え！？まじか！！！っしゃ！！」
「っていうか、そんなの全然許可取らなくていいのに笑」
先程のため息は嘘のように消えた。
ふと、時計に視線を移すと
出発の時間はかなり近づいていた。
切原「Aももうすぐ帰るんだもんな、ちぇ…俺も一緒に行きてえぜ」
「監督達もお出まししたから練習も厳しくなりそうだね」
私はとあることを思い出し、足を止めた。
「あ、監督達に私の秘伝メニューを授けておいたから、楽しみにしてて」
切原「ｹﾞｯ……！！！それは聞いてないぜ」
「言ってないもん」
管理小屋から荷物を取り出していたが
さりげなく赤也君が全部持ってくれていた。
彩夏とつぐちゃんの荷物は既に無かったから、もう船に向かったのだと思う。
荷物を全て持ち、外に出ようとするとスっと後ろから扉に向かう手に行く手を阻まれる。
「あ、赤也君く」
体ごと後ろを振り返ると、赤也君の身体に私の身体をふわっと覆い隠され、視界が一気に真っ暗になった。
切原「わ、悪ぃ！！！」
赤也君がそう言って私の体を引き離す頃には、
真っ白になっている頭の中とは裏腹に、私の顔は再び赤く火照る
切原「約1週間。あ、ありがとな、」
そう言ってﾆｶｯと笑う赤也君は
何だか私にはとても眩しかった
続く
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作者名：あぽろろろろろ | 作成日時：2021年11月6日 19時
