今じゃねえ ページ24
目を覚めると、そこは元居た浜辺だった。
「ん…？」
比嘉中の人達と跡部さんが覗き混むように、私を囲っていた。
木手「Aさん！！」
この無人島生活でここまで動揺した木手さんを見るのは初めてだろう。そのくらい、焦っていたようだ。
話を聞くと、私は落ちた後咄嗟に船に括り付けられていたロープを掴んでいた為、流されることは無かったそう…。
そこを木手さんに助けて貰っただとか。
無論、自分では何も覚えていない。
たまたまボートに括られていたロープが、私に絡まったのでは？と憶測を立てるレベル。
「すみません、迷惑かけて」
平古場「何を言うさ…！？迷惑かけたのは俺達だろ」
比嘉中の3人は私に深く頭を下げた。
「辞めてください、あれは波でボートが揺れたのが原因なんですから。とりあえず、皆無事でよかったです。助けて頂いてありがとうございます」
跡部さんの顔を見ると、こんな時でも冷静に対応したのであろう。あまり取り乱しては居なかった。
流石、跡部さんだな、。
木手「何故、俺達を助けたんですか」
跡部「馬鹿言え。見殺しにするやつがいるか」
平古場「一歩間違えれば、お前たちもあの渦潮に巻き込まれる所だったんだぞ」
跡部「ﾌｯそんなこと知るか。」
木手「跡部…」
跡部さんと比嘉中の中で和解が成立したようだった……が…
木手「まだ君を信用する訳ではない」
跡部「お前ら…この期に及んで…」
木手「私達は見たんです、跡部君が榊監督と会っている所を」
榊監督って…氷帝の…。
跡部「ﾁｯ…そういう事か。」
跡部さんは全て納得した表情になる。
そして一言放つ。
この遭難の全てを全員の前で説明する。と
跡部「ちゃんと説明するから、とりあえずお前らは一旦ロッジに戻れ。」
説明する。と言われたからか、木手さん達は素直にロッジへと向かっていった。
恐らく、私の事で自責の念もあったのだろう…。
私が勝手にやったこと何だけどなぁ。
「跡部さん、本当の事っt」
木手さん達の姿が見えなくなった瞬間
私の視界も真っ暗に暗転する。
跡部さんが思い切り私を強く抱き締めたのだ。
跡部「ったくお前は」
先程まで冷静を保っていた跡部さんとは打って変わって、目を細め、今にも不安が爆発しそうな顔をしていた。
とても冷静とは言えない表情だ。
跡部さん…
「私も、カメラと配管を見ましたよ」
跡部「今じゃねぇだろ」
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作者名：あぽろろろろろ | 作成日時：2021年11月6日 19時
