赤々な火種 ページ17
あの後、緊急ミーティングが開かれた。
私は急いで炊事場へと向かう。
いつものミーティングの場に、もちろん跡部さんの姿はない。
幸村「皆知っていると思うけど…跡部が毒蛇に噛まれて重体だ。今から海側のリーダーは僕が務める。」
木手「順当でしょうね」
宍戸「おい…なんなんだアイツら」ﾋｿｯ
鳳「聞こえますよ、宍戸さん」ﾋｿｯ
甲斐「もう遅いさー。聞こえてるっての」
木手「そうですね。跡部君より幸村君の方が、リーダーとしてよっぽどマシ。と言いたいのですよ」
鳳「木手さん、言い方というものが…」
幸村「静かに。」
この場は、幸村さんの言葉で丸く納まった。が、跡部さんが抜けて、雰囲気がかなり重くなったのは避けようがない。
ミーティング後は自由行動となり、各々がバラバラに行動していた。
1つの塊を覗いては。
ん…食堂で何か声が聞こえるな。
覗いてみると、鳳君と宍戸さん、そして比嘉中の人達が言い争っていた。
かなり激しく。
まだ、誰も気付いてはいないようだ。
「そこまでですよ」
鳳「Aさん、！」
「訳は聞きません。取り敢えず鳳君と宍戸さんは部屋に戻って下さい。これ以上主張をぶつけ合っても、お互いが平衡的な思いなら意味は無いです。」
宍戸「でもよ、こっちも言われっぱなしは」
「ここで飲み込まなきゃ、跡部さんの顔に泥を塗るのと一緒です。コチラ側が騒ぐ度に、木手さん達の立場からしたら犬の遠吠えにしか見えないんです。跡部さんの為を思うなら、ここは引きましょう」
2人は渋々飲み込み、部屋に帰って行く。
もちろん言い返したい気持ちも痛い位分かる。
バスケ部も同じ気持ちをした時期があったからだ。
木手「また、君に止められましたね。」
「木手さんも木手さんですよ…大事になるの分かってるのに…」
平古場「舐められる訳にはいかないんさー」
「折角頭効くんですから勿体無いですよ」
木手「ほぅ…言いますね。僕達も君に免じて引き下がります。跡部君に伝えてください、私達は君達の傘下になった訳では無いことを忘れないで下さい。と…では」
木手さん達も自分達のロッジへと帰っていく。
木手さん達も何かを計画している様だった。
とりあえず私は緊急ミーティングの様子を跡部さんに伝えるべく、もう一度跡部さんの部屋に戻ったのだった_________
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作者名：あぽろろろろろ | 作成日時：2021年11月6日 19時
