愛され黒くん (ページ4)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:10,653 hit

. ページ4

｢ん、きょうもと…｣

｢眠いんでしょ？｣

｢ねむくない、よ｣

｢そんな顔で言っても説得力ないよ｣

｢…｣

瞼は今にも閉じてしまいそうなのに

そんなことを言う北斗が可笑しくて笑ってしまうと

拗ねた顔をして唇を尖らせた。

｢だって…1週間も会えなかったじゃん｣

もっと大我を感じたい、と

小鳥のさえずりくらい小さな声で言われたら

もう適わない。

｢北斗明日オフでしょ？｣
｢俺も午後はオフだから｣
｢明日いっぱいイチャイチャしようよ｣

｢いっぱい…？｣

｢うん、いっぱい｣

｢ぎゅってしてくれるの？｣

｢勿論｣

俺がそう言うと安心したのかすやすやと寝息を立てて

あっという間に北斗は夢の中に

｢おやすみ北斗｣

額に軽いリップ音を立ててキスを落とすと

北斗が少し微笑んだような気がした。

｢…あー、可愛すぎる｣

ソファの前にしゃがんで北斗を見つめる。

なんだよ、ぎゅってしてくれるの？って

当たり前だろ、何時間だって

いや24時間だって北斗と一緒に居たいんだから

こんなに可愛くて、綺麗な人が

本当に俺の彼女だなんて

｢俺、幸せだ…｣

｢うん、幸せそうだな｣

｢えっ｣

俺と北斗だけの空間のはずなのに

他の声に驚いて振り返ると

そこには居ないと思っていた髙地が居た。

｢慎太郎とジェシーが楽屋前でもたついてたから｣
｢何かと思ったら…あんま困らせんなよ｣

荷物を下ろして準備を始めた

髙地の後ろから慎太郎とジェシーが出てきて

北斗を少し赤い頬で見つめている。

なんだ、

もしかして、北斗の可愛い声聞かれちゃったかな。

｢俺の、北斗だからね｣

と笑顔で圧をかけると後ろから髙地に頭を叩かれる。

髪切って良かった。

そう思ったam.11。