愛され黒くん (ページ22)

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｢死んだら、死んだらさ｣
｢もう、樹に会えないのかな｣

｢会えるよ、きっと｣
｢俺は来世でもずっと北斗を探すから｣

｢そっか…｣
｢じゃあ、俺は来世でも樹のこと待ってる。｣

｢浮気、すんなよ｣

｢それ言うなら樹の方でしょ｣
｢女の子からモテモテだったじゃん｣

｢は？それ言うならお前だって…｣
｢何回お前の連絡先聞かれたと思ってんだよ｣

｢え？そうなの？｣

｢…お前ってホント鈍感だよな。｣

そう言って目を合わせて笑った。

この後のことなんて考えないくらい。

幸せだった。

こうして樹と出逢えたことが。

｢…北斗｣

｢樹｣

俺達はお互いの手に乗せた錠剤を口の中に放り込んだ。

この数ヶ月で貯めた、大量の睡眠薬。

更に俺達は小さな小屋に火を放つ。

これできっと、俺達は二人になれる。

暗くなって行く視界に最後に映るのは

やっぱり樹がいい。

｢｢愛してるよ｣｣

あぁ、意識が無くなる。

最後、最後に一つだけ

来世は樹と、

しわくちゃになるくらい歳をとるまで

一緒に居られますように

なんて、七夕じゃないのにね。