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もう一度言おう。この街に、「治安」という言葉はないらしい。








「ねぇちゃん、さっきからこの辺ずーっと彷徨いてたなぁ?」


「もしかして暇してんの?俺らの相手してくんね」









下卑た顔して女を狙うクズ共も、見て見ぬふりする通りのクズたちも、まいったなと思いつつ心の中では諦めているクズも、誰一人として気にもとめない。




正味、痛いことをされるのかだけは心配だ。









『お母さんにおつかい頼まれてるんです。暇という訳ではないですね』




面倒くさいことと痛いことはごめんだ。



ここは、の○太くん戦法で「すまんけど、おつかい頼まれてるから野球できひんわ〜」系で回避することにしよう。






「あぁん?おつかい?テメェなめてんか」




『それ毎回思うんですよね、なめてるってなんの略なんですかね、キャンディでもあるまいし…、』




「そんなん気になってんのお前くらいだよ。いや、そうじゃなくて、いい度胸してんなって話だわ」




『度胸…、申し訳ないんですけどそんなもの毛ほどもないんですよね。ちょうど貴方の頭くらい』




「テメェそれ遠回しにハゲって言ってるからな??」




「……おい、この女やべぇって。話全然通じないぜ?やめね??」




『それがいいと思うぜ』




「お前が言うな。…………なぁ、お前、マジで俺らのことなめてるよな?まずはそのペラペラな口聞けねぇようにしてやるよ」








……思ったことを口にしてしまう性格が仇となった。




こんな時にドラ○もんが通りぬけフープで登場して空気砲かなんかでこいつらを吹っ飛ばしてくれればいいのに。


もしくは、映画のヒーローでも飛び出してきてくれたらいいのに。













『………………ぇ、』







男たちが手を振り上げた瞬間。








目の前の男たちが、鈍い音と共に、吹っ飛んだ。






状況を飲み込めなくて、何度も瞬きする。





やっと目線を動かせるようになって、私は正直、通りぬけフープでできた穴と、あの愛らしい青いタヌキを探してしまった。






だがそこにいたのは、愛らしい青いタヌキでも、ヒーローでもなかった。




そこにいたのは、










「ばはっ、思ったより遠くに飛んでったな〜」









ニワトリ頭の、ダークヒーローだった。

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引きこもり隊 - 面白い!人の話を聞かない半間。。。 (2022年3月27日 20時) (レス) @page5 id: 553232132b (このIDを非表示/違反報告)
なこそ(プロフ) - りんごさん» コメントありがとうございます!これからもお楽しみいただけるよう頑張りますm(_ _)m (2022年3月24日 6時) (レス) id: ce0520376b (このIDを非表示/違反報告)
りんご - めっちゃ面白いです。応援してます (2022年3月24日 3時) (レス) @page5 id: 220ab80aca (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なこそ | 作成日時:2022年3月23日 19時

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