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「あ！まぁしおはよぅ。ねね、みてみて！えぇと……名前なんやったっけ？」
「まだ名乗ってませんし名乗りたくもないです！離れてください！」
「えぇ〜やだぁ」
「べったりやなぁ。まぁえぇわ……俺の名前は志麻。呼ぶ名前がないと不便やからはよ名乗って？」
そういいながら向けられたのは黒光した銃口。まさか人生で本物をお目にかかれるとは……なんてふざけたことを考えられるはずもなく、私は「ひッ……！」と喉から引き攣ったような悲鳴をあげた。
殺される。本能が警鐘を鳴らしていた。
「ぅ、A……A、です……」
「ん。Aな。えぇ子。脳ブッ飛ばされて脳漿撒き散らしたくないなら俺らには従ったほうがえぇよ」
「は、はひ……」
な、なんだこの人は……！怖いのベクトルがまるで三人とは違います。ガタガタと震えが止まらない。他者に命を握られる感覚はこんなにも恐ろしいのか。
血に塗れた深紫の警官服。露出した肌はところどころ爛れていて、瞳は片目だけ色が違う。ゾッとするほどの美丈夫ではあるが、先程の行為で彼が恐ろしくてたまらない。あんなにも離れて欲しかった坂田さんに縋り付いてしまうほど、私は一気に恐怖の淵に突き落とされてしまった。
「あんまビビらせんなよまーしぃ、快楽で嬲って名前聞き出そうと思ってた俺の楽しみ返せよ」
「ンなしょーもない遊びしてんとさっさと役目と立場解らせんとあかんやろうらたさん……」
呆れたように言う志麻さんは銃を収めてくれたが、私は逃げ出す気すら失ってしまった。センラさんもまた頭を撫でて宥めてくれるが、私はその感覚さえ失ってしまった。
この人たちには、逆らえない。もう、両親にも友達にも会えないんだ……
「そんな顔せんといて？うちの志麻くんがごめんなぁ、俺らはきみに頼みたい事があるんよ。」
「……な、なんで、すか」
「俺らな？ちょいと痛い目みて欲しいやつがいるんよねぇ……そいつを殺すためには君の力が必要なんよ。」
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作者名：くらげ。 | 作成日時：2021年11月5日 14時
