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一番子ども ページ36




収録が終わった帰り道。いつもは素通りするケーキ屋の前で立ち止まった。りっちゃんいるならお土産にしようかなと思っていくつか買って帰った。

「あれ、りっちゃんは」
『さっき帰ってたよ…?LINEしたけど』
「まじでか。ケーキ買ってきたんだけど」
『え!ケーキ!食べたい!』

目をキラキラさせて近寄ってきたAにケーキの箱を渡した。

『りっちゃん、弟生まれてから可愛い可愛い言われなくなっちゃって嫉妬してたみたい。お兄ちゃんともう仲直りしてたよ』
「そうなんだ、なら良かったけど」
『てかケーキ美味しい…幸せ…えへへ』
「クリームついてる」
『まじか』

自分の親戚にも小さい子はいるし、触れ合う度に子どもっていいなあと思う。自分もいつかはと思ってるけど、こんな可愛い顔で美味しそうにケーキを食べてるAを見たらまだ独り占めしたいとも思う。

『ん?どうしたの?めっちゃ見るじゃん』
「見てねえよ」
『えー、見てよ』
「じゃあおっ ぱい見せて」
『バカ』

こういうふざけたこと言えるのも二人で居られるうちかなと思うと、タイミングに迷う。

「見せてよ」
『やだよ、ケーキ食べてるもん』
「食べ終わったら見せて」
『見てどうすんの』
「満足する」
『意味分かんない…』

そう言いながらぱくぱくケーキを食べるAと色々喋った。その後はまだ風呂を済ませてなかったらしいから一緒に入ってあがった。

Aより先に出て、そのあとすぐAも出たけどリビングに戻って来ないから何をしてるのかと思ったら鏡の前でぼーっとしていた。

「何してんの」
『わっ、びっくりした。何もしてない』
「化粧水した?」
『した』
「じゃあ早く行こ」
『裕一郎はした?』
「してない」
『え!したほうがいいよ、ツラ貸してみ』
「言い方な」

化粧水をぺちぺち塗られて『男の子も保湿大事』と怒られた。男の子って歳じゃないけど。

ベッドに入ってスマホをずーっと見てるA。もう寝るぞ、と意味を込めて顔を手で隠した。

『見えない』
「寝るぞ」
『はーい。ゆういちろ、』
「ん」
『抱き枕にしていい?』
「どうぞ」
『ありがと』

なんだかAが一番子どもだなと思った。可愛くて仕方ない。しばらくして寝息が聞こえてきたのを確認して自分も寝た。

惚れ直した→←ちょっとの間のお留守番



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設定タグ:男性声優 , 梅原裕一郎   
作品ジャンル:恋愛
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N(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてます。次回作も楽しみにしてます!! (2021年5月24日 0時) (レス) id: 8ca26ff974 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:p@n@ | 作成日時:2021年5月4日 0時

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