ちょっとの間のお留守番 ページ35
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裕一郎がパンツを履きに行ってる間に玄関の扉を開けた。
『あれ、りっちゃん!どしたの?』
お兄ちゃんの子ども、りっちゃんだった。私の姪っ子。
事情を聞くと、りっちゃんのママは今出産のため入院していてパパ(兄)とお見舞いに行きたかったけど、仕事で行けないからりっちゃんは一人で行こうと家を飛び出したらしい。
途中で病院の場所が分からなくなって、見覚えのある街並みを歩いてたらここに辿り着いたみたい。
『りっちゃんよく覚えてたね』
「パパとここあるくときにAちゃんとうめくんのおうちだよっていってたの」
『そっかそっか、偉いね。でもパパ心配してるんじゃないかな?』
「してないとおもう…」
『なんで?』
「おとうとのほうがかわいいんだもん…」
りっちゃんには弟が生まれた。パパが写真を見て可愛い可愛い言うからちょっと嫉妬したみたい。可愛いけど心配してるだろうなぁ…でも私今から仕事だし…
「おー、りっちゃん久しぶり」
「うめくんひさしぶり」
『りっちゃん、家飛び出してきたんだって』
「おお、マジか」
「もうりっちゃんかえんない」
「うめくんの家の子になる?」
「なるー!」
『あはは…』
それはそれで嬉しいけどお兄ちゃんのことも考えると早く帰してあげたほうがいいだろうな。
「A時間大丈夫なの、早く行かなきゃやばいじゃん」
『あっ、ほんとだ!ごめんりっちゃん、うめくんとお留守番してて!』
「はーい」
『じゃあ行ってきます!』
現場に着くまでの間にお兄ちゃんに電話して、りっちゃんが家に居ることを伝えた。なんとお兄ちゃんが仕事へ行った後に家を出たらしい。ということは鍵もかかってないのでは…。
裕一郎が午後からの現場で良かった。私が帰ってもまだ居てくれた。
りっちゃんは眠くなって寝てしまったらしい。
『ありがとね、何とも無かった?』
「うん。良い子だった。じゃあ俺行ってくる」
『行ってらっしゃい、気を付けてね』
数時間後、りっちゃんが目覚めた頃にお兄ちゃんも家にやってきた。かなりお怒りの様子である。完全にビビっちゃってるりっちゃんが私の後ろに隠れた。
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N(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてます。次回作も楽しみにしてます!! (2021年5月24日 0時) (レス) id: 8ca26ff974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2021年5月4日 0時