二日酔い ページ28
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一日の仕事や家事を終えて台本チェックをしていたら裕一郎が帰ってきた。今日は終わってから共演者とご飯に行くと言ってたからわりと遅めの帰宅。
台本に目を向けながらドアの開く音を聞いて『おかえり』と声をかけたけど返事が無かった。
『ん?え!?大丈夫!?』
「しんどい…」
『どうしたの?』
入り口にいる裕一郎は顔を赤くして立っていた。
フラフラしているし、とりあえずソファーに座らせて水を一杯飲ませた。
「烏龍茶だと思って飲んだらウーロンハイだった」
『そんなことある…?大丈夫?やばいよ顔真っ赤だよ』
「キツい、死ぬかもしれない」
『死にはしないけども…ええ…よく帰ってこれたね』
「そのあともう水しか飲んでなかったから」
お酒が弱い裕一郎は一年に一回飲むか飲まないかだから相当しんどいと思う。もう既に二日酔いが来ちゃってるのか頭も押さえ始めた。
『とりあえず寝よ、シャワー明日でいいし着替えだけして』
「そうする、もう一生烏龍茶飲まない」
『私が一緒にいたら味見してたのにね…』
「連れて行けばよかった」
『全然出てる作品じゃないけど』
私はわりと飲んでも酔わないタイプだから二日酔いにはあんまり困らない。だからその頭の痛さがよく分からなくて、とりあえず寝かせることしか出来なかった。
「おはよう…死ぬ…」
『おは…大丈夫…?大丈夫じゃないか』
次の日の朝になって、もっと酷い顔になっていた。相当痛いらしい。
「助けて…」
ローテーブルの所でご飯を食べていた私は寝転んできた裕一郎に膝枕してあげるような体勢になった。
こんな弱々しい裕一郎を久しぶりに見て微笑ましいけど、風邪じゃなくて二日酔いだからなんとも言えない。
『ごめんだけどあと一時間で出ないと』
「は…?こんなに苦しんでる俺を置いていっていいの…?」
『うん…仕事なのでね…』
「早く帰ってきて、絶対、寄り道せずに」
『分かったよ、早く帰ってくるから』
いつもこれくらい素直に甘えてくれたら可愛いのにな。なぜか強がるから甘えたい時っていうタイミングがあまり掴めない。
『ゆっくり寝ててね』
「ん、行ってらっしゃい」
『行ってきますのチューだね』
「絶対口臭いけどいいよ」
まさかな、と思って一瞬だけしてみたらそのまさかで、若干アルコールの匂いがした。
ーー
@沖田A
二日酔いキツいよねー分かる。早く治るといいな。
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@江口拓也
あ、やっぱり?
│
@沖田A
ガッツリです
ーー
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N(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてます。次回作も楽しみにしてます!! (2021年5月24日 0時) (レス) id: 8ca26ff974 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:p@n@ | 作成日時:2021年5月4日 0時