夢の魔法【梅原裕一郎】 (ページ23)

今日:12 hit、昨日:39 hit、合計:119,359 hit

みんながいるページ23

．
．

ライブイベントでAと同じ現場になった。自分はユニットだけど、Aはソロのキャラクターを演じている。男役だからスラッと見えるようにヒールのある靴を履いて見た感じは若王子様みたいだ。

同じユニットの堀江くんがテンションぶち上げで緊張しているAに話しかけまくっている。

「Aちゃんかっこいい…！すき…！」
『ありがとう…』
「堀江くん今Aに話しかけない方がいいよ」
「はっ…ごめんね…」
『いいよいいよ…ありがとう』

緊張し過ぎて呼吸の仕方も忘れるくらいAは集中していた。廊下をウロウロしたり楽屋に入ったり、とにかく落ち着けない様子。

「Aちゃん大丈夫！？顔真っ青だよ！」
『え？』

偶然歩いていた宗悟が駆け寄った。そんなにやばいのかと思って自分も傍に来たら相当切羽詰まった顔をしていた。

「落ち着け、大丈夫だから」
『緊張し過ぎておかしくなる…どうしよう…』
「おかしくなってるって、深呼吸して」
『はぁ…』
「俺水貰ってくる！」
「うん、ありがとう」

廊下にあった椅子に腰掛けて背中を擦る。だんだん落ち着いてきたのか、呼吸も整ってきた。

Aの演じているキャラは作品の中でもトップ3に入るくらい人気で、男キャラを女性声優が演じることに対してすごくプレッシャーがあった。それでも作品を楽しんでくれてる人達はAを温かく迎えてくれた。

「裏ではみんな見てるし、ユニットコラボも一緒なんだから、Aなら大丈夫」
『ほんとに大丈夫かな…』
「大丈夫だよ。みんなついてる」
「Aちゃーん！水持ってきた！」
『え！？』

コップ一杯の水だと思ったら2リットルのペットボトルで持ってきた宗悟。それに続いて同じユニットの八代と雄馬も来た。続々と他のキャストもやってきた。

「ほら、みんないるじゃん」
『…えへへ、ありがと！』

数分後、最後の打ち合わせを終えてイベントが始まった。Aの出番になって、演者がぞろぞろとモニターの前に集まってきた。ほら、こんなに見守ってくれる人達がいるんだから何があっても大丈夫。

ーー
@沖田A
ライブ終わりました！
初めて全員揃ってのイベント、とても楽しかったです。ソロのキャラを演じることにプレッシャーを感じていましたが温かく迎えて頂き本当にありがとうございました！
(集合写真)

@中島ヨシキ
一人でよく頑張りました。かっこよかったよ。
(沖田･中島のツーショット)