夢の魔法【梅原裕一郎】 (ページ16)

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姪っ子ページ16

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インターホンの音で目が覚めた。そこに映っているのはAのお兄さんと、娘のりっちゃんだった。
Aはオフだからまだ寝ていて、とりあえず中に入ってもらって話を聞くことにした。

急に仕事が入ったため見てほしいとのこと。Aが休みってことはマネージャーから聞いてるから今日一日りっちゃんを預かってほしいと来た。子どもは好きだし生まれた時から知ってるから快諾して、お兄さんを二人で見送った。

「りっちゃん何歳になったの」
「んー、5さいになった！」
「おっきくなったね」
「うん！うめくんは？」
「うめくんはアラサーだよ」
「アラサー？」

頭にハテナを浮かべたりっちゃんがとても可愛い。持ってきてくれたおもちゃで一緒に遊びながらAが起きるのを待つ。

『おはよう〜あれ、りっちゃん何してるの？パパは？』
「Aちゃんおはよー！パパ、きゅうにおしごとになった！」
『そうなんだ！じゃあ今日はいっぱい遊ぼうね』
「うん！」

Aも状況を飲み込むのが早いな。

顔を洗いに行って、戻ってきたのにまだ寝癖が付いたままだった。いつもの癖で、手ぐしで直してやるとりっちゃんがニヤニヤしていた。

「なんでニヤニヤしてんの」
「うめくんやさしいね」
「いつもこうしてるんだよ」
「らぶらぶじゃん」
「そうそう」
『りっちゃん今日何したい？午後から雨なんだって〜』
「えー、あめー？」
『公園とか行きたかったなー』
「ねー」

天気予報を見ると本当に雨だった。しかも豪雨って書いてある。雨の中わざわざ外に出る理由も無いけど、せっかくりっちゃんが来たんだから何かしらしたい。

「りっちゃん、お絵かきしたいな」
『いいじゃん！しよしよ！』
「うめくんもしてくれる？」
「するする。うめくん絵上手いよ」
「ほんとにー！？」
『りっちゃん、Aちゃんの方が上手なんだよ！』
「じゃあどっちがじょうずか、ばとるだね」

絵を描くことが好きなAは結構色鉛筆とか描く道具を持ってるからそれを総動員させて絵描き大会が始まった。

「Aちゃんほんとにじょうず…」
『でしょ〜』
「うめくんのはこわい…」
「嘘だろ」
『いやそれは怖いよ…りっちゃんのは可愛いねえ！』
「これママなの！こっちパパ」
『似てる！特徴掴んでる！上手だね〜！』
「ありがとう〜えへへ」

絵描き大会で疲れたりっちゃんは、すこんと寝てしまった。急にスイッチが切れたように眠ったからちょっとびっくりした。