A piece of cake!!【宇髄天元】

Let's get started!! ページ3

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「お前どうした？ついに狂ったか？」


分かりやすく私の目の前で手を振って見せる宇髄の手首を掴む。


『…正気。
　面倒くさいのは嫌だけど、好きになるって感覚はよく
　分かんないし、それになんか…興味出てきたから。』


「あのさ…別にそれは良いんだけど、地味に俺のこと巻き込まないで貰っていい？」


『いーじゃん。可愛い同期のためにひと肌脱いでよ！』


心底呆れた表情を浮かべた宇髄が、私の手を振り解いて頭を掻く。


『“すべての女性を愛してる”んでしょ？
　それに、落とせない女はいないもんね？』


「やめろやめろ…マジで巻き込むな。」


なんなんだよマジで…と立ち上がった宇髄が私を見下ろす。



『勝負しようよ。
　私が宇髄に惚れたら、負け。』



へぇ…とだけ言って、ジロジロと私を見た宇髄が、ニヤリと笑った。



「おもしろそーじゃん。乗ったわ。」



嫌がってた割に、あっさりとOKした宇髄は、私に一歩近づいた。



「但し、付き合うとこからスタートな。」

『は？なんで？落とす気ないでしょそれ。』


猛抗議する私に、宇髄は想定内と言わんばかりに落ち着きを放っている。



「1ヶ月…付き合ってお前が俺に惚れなかったら別れようぜ。」


『待って…これってお互い得することある？
　言い出しておいてゴメンだけど、意味わかんなくなってきた…』



「んー、お互い力試しってとこじゃね？
　深く考えずに楽しめばいーじゃん。

　じゃ、そゆことなんで改めて宜しくね、Aちゃん。」


宇髄は満面の笑みで、いつもは名字で呼ぶ私のことを、下の名前で呼んだ。



『…早速ムリ。』



宇髄はボソリと言った私の一言を聞き逃さなかった。



「お前さぁ、自分の発言にもっと責任持てよな？」


口元は笑っているが、目が笑っていない。


じりじりと宇髄の顔が近づいて、コツンと鼻が軽くぶつかる。



ここでキスをしたら、このゲームはスタートする。




今更考えたところで後には引けない。




私はそっと目を閉じた。





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