「兄さん、この人苦手です」【ONE PIECE】 (ページ16)

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十六話ページ16

あの後くすぐりの刑というセクハラを沢山されて私はぐったりとベッドに横たわっていた。
…ローさんを怒らせるのはやめよう。なんだかいけないことをしてるみたいだったし。私が身を捩る度にベッドがぎしぎしと鳴って凄く恥ずかしかった。一人頬を赤く染めていると、横からご機嫌な声が降ってくる。

「…なぁ、録音データ聞くか？」

「っっ！？や、な、ななななんでそんなの録ってるんですかばか！」

「いや、お前も思わなかったか。…自分の声がすげェいやらしいって」

「～ッ嫌い！ほんと嫌い！ローさんの変態悪魔！」

きゃんきゃん吠える私に態とらしく笑ってローさんは勝手にスマホを操作してそのデータとやらを流し始めた。…私は真っ赤になりながらローさんの背中をぽかぽか叩くことしか出来ない。

「や…っ、消してよローさんのえっち！」

「俺はただお前のことをくすぐってただけだ。ガキの遊びみてェなもんだろう」

「～録音してる時点で下心見え見えです！」

そんな風に吠えているとスマホから音が聞こえて来てぎくりと身体が強張る。…そこから聞こえて来た音声は私の想像を絶する物だった。

『やだぁ、ろぉ、さ…ッ！ひゃぁ、あ、も、やめてぇ…っ』

『駄目だ。…しっかりお仕置き受けてから言え』

『ん、ひゃっ…！や、やん…っ！いじわる…っ、』

『あ？誰が意地悪だって。…おい、泣くなよもっと泣かせたくなるだろ』

『ん、ッ！ぁ、あむっ、ん～っ！ん、んっ！』

『………抱きてェ』

最後の最低な台詞を最後に録音は終わった。にやにやとしたローさんに私は怒りのあまり涙目で震えることしか出来ない。…ひどい。こんなの録ってるなんて。

「これは俺が大切に保管しておくから安心しろ」

「消して！ください！」

「駄目だ」

スマホをロックしてポケットに仕舞うローさんに私は肩を落とす。あんなのそーいうことをしてる音だと勘違いされてもおかしくない。…誰かに聞かせたりとかはしないだろうけど、アレをローさんがまた聞いたりすると考えただけで死にたくなる。

「…そんな顔するな。イイ声だろ」

「……もう一生再生しないでくださいアレ」

「もう俺のもんなんだ。どう使おうが勝手だろう」

「～っ！」

なにに使う気なんですか、とは恐ろしかと聞けない。どんな回答でも私はショック死するだろう。…こんなに意地悪なことをされてるのにローさんを嫌いになれない私はドMなのかも、と考えて更に落ち込んだ。