28話：裏切り者 ページ29
男主side
ﾁｬｷﾝ
男がレイに鎌を振り上げたのと、再度思考が働き始めたのは同時だった。
だが、俺は焦らない
やけに客観視できる。
男はレイを殺さない。
男の言動を思い出すかぎり、
絶望の顔、歓喜の声
男はそればかりを狙うかのように追っていた。
今のレイにそんなものはない。
ｽｯ
それを確信付けるかのように、男は鎌を下ろした。
ザ「ﾁｯ…つまんねぇ顔だなぁ、おい」
心底つまらなそうに男は呟いた
ザ「…俺はマトモな成人男性だから、お人形さんを切り裂く趣味はないんだよ」
そう言うと興味を失ったとばかりに、レイから距離をとった。
…というか、コイツはここにいてもいいのかよ。
この階はコイツのフロア外だと思うが。
男がふと、俺の方に顔を向ける。
ザ「お前だったら、殺しがいありそうだよなぁ。さっきのお返しでもしてやるかぁ？？」
ﾁｯ…めんどくせぇな
俺の顔は見えねぇのに、まだ根に持ってやがるのか。
俺も近くにあったバールを拾い上げ手に持ち、構える。
ｷｰﾝｺｰﾝｶｰﾝ
！！！
突如、放送の音が鳴る
お互い、手を止め耳を傾けた
ーーーーー裏切り者の出現
ーーフロア6の者がフロア5の者を攻撃したーー
ーーこれはルールに反することーー
ーー以下、レイチェル、その他一名に続き、裏切り者がーー
ーーいけにえとなりましたーー
なるほど、殺人鬼の男も俺達と同じ立場になるのか。
つまり殺し合う必要すらなくなったと。
殺人鬼に殺し合う理由なんざ、要らねぇとは思うが。
これはチャンスといってもいいだろう。
コイツと手を組めば相当楽になる。
ザ「くっそ、逃げるか」
男は放送を聞くと、扉から足早に出ていった。
俺も後を追うか。
その前に…
俺は未だに手術台へ横たわっているレイへ近づく
『…おい、レイ。さっさと起きろ』
レイの背中に手を入れ、しっかりと起こす。
『今の放送聞いてただろ。アイツと行動したほうが楽だ。
つまり、説得して俺達と手を組ませる』
レイは表情の変わらない顔で俺を見つめる。
聞いてるのかはわからねぇが
『オマエも来い。今からアイツの後を追うぞ。』
そう言うと、こくりと頷き無言で手術台を降りた。
レイがポツリと呟く。
レ「…そうだ」
レ「……私は、生きてちゃ…」
『…』
何があったのかは聞かなかった。
ただ、
俺はそう呟いたレイの髪を乱雑にかきまぜた。
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名無し(プロフ) - このような夢小説をずっと探してたのでとても出会えて嬉しいです！！更新は遅くてもいいので待っています。 (3月26日 2時) (
レス) @page49 id: 9f491c41ca (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 初コメ失礼します。文章の書き方と進め方がすごく好みですー！！殺戮の天使大好きなので幸せ、、、楽しみに更新を待ってます！！ (2023年1月3日 2時) (レス) @page33 id: 2841300d9b (このIDを非表示/違反報告)
猫 - 初コメ失礼します！好きです！ (2022年4月28日 22時) (レス) @page26 id: ac45aa30d3 (このIDを非表示/違反報告)
空白 - 初コメ失礼します。すっごく楽しみにしてます。 (2022年4月2日 0時) (レス) @page25 id: e38918ab99 (このIDを非表示/違反報告)
白樺葵(プロフ) - 初めまして！最近殺戮の天使を知り、アニメを一気見しまして、夢小説を検索していたところこちらにたどり着きました。大変だとは思いますが、執筆頑張ってください！応援しています！ (2021年4月16日 13時) (レス) id: eac0d1ea92 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：坂内 | 作成日時：2020年8月11日 15時
