Shax 2 ページ45
「浄化するとは言ったけど…」
外の冷たい風が私の頬をぴりぴりと通っていく。キクさんが少し予備として改造してくれていた軍服ワンピースの黒いレースがバタバタと風になびく。
「なんでまたこの移動方法なんですか…」
「？仕方ないだろ。急ぎなんだから」
私を抱っこしながらアーサーは翼を広げて急速に飛んでいる。
「でもそんな…なんでいきなり害のある悪魔、なんて」
胸元の青いリボンを抑えながら、私は銀のブレスレットを見つめた。
今日は風が強い。
「確かに上級悪魔の方が得られるメリットは格段にでかい。…でもお前が乗り気じゃないなら浄化はできない。シスター様的には、悪事をする悪魔の方が浄化を正当化できるんだろ？」
「正当化なんて！…でもその言い方、まるで上級悪魔が悪事を働かないとでも言ってるみたいじゃない」
私が反論すると、アーサーは何言ってるんだよとでもいうように顔を歪めた。
「あのな、呪い殺すとか人に化けて悪事を働くとかいうのはほとんど低級の奴らがすることだ。上級はほぼ全員きちんと契約をして、それに沿って取引を行う。ただ契約の仕方が上品な奴も下品な奴もいるってだけなんだよ」
「そう、なんだ…」
「お前が今までに会った悪魔の奴らは全員上級の奴らだ。1級から5級までが上級悪魔。インキュバスの奴らは特3級で…って知らないんだったな」
「インキュ？」
アーサーは間違えた、と言葉を濁した。
「フェリシアーノは5級。ルートヴィッヒは3級。レラージュのベルは3級、ランは俺と同じ2級だ」
「キクさんも2級、だよね」
「…いや」
アーサーの瞳には無数の星が映されている。
「あいつは、第1級に昇格した」
「…どうして？」
「俺もわからない。あいつが今いないのも、それがきっと関係してる」
あいつが何もなしにこの事に口を出さないはずがないだろうしな、とアーサーは呟くとはっとしたように口を塞いだ。
「…俺、なんでこんなべらべらと…」
「ねえ、アーサー」
私は抱えられながら顔をアーサーに向けた。
「少し正直になってくれた気がする。今」
「…」
それからアーサーは顔を赤らめながら黙ってしまった。
「(これがランと髭の効力なのか…？俺がこんな嘘の1つもいれずに饒舌になるなんて)」
「？」
「(…という事は、これで、距離が縮まる、のか？ というか、こいつってこんなに…)」
「あ、あれ！悪魔じゃない！？」
私は咄嗟に翼の生えた黒いものを見つけた。
「あ！？ああ、…よしあいつだな。面倒だからここから浄化しろよ」
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漆黒の堕天使 - ありがとうございますす流石にいちゃんかっこいいこれどうぞ(糸切りもち) (2016年7月23日 9時) (
レス) id: 00da4d2b3b (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - 漆黒の堕天使さん» フランシス: やだなぁ〜、そんなに褒めても何も出ないぞ？ まあ契約するくらいならお手軽もんだけどね〜。 あ、他の奴らとは契約すんなよ？お前はお兄さんの契約者なんだから、ね。 (2016年7月4日 16時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
漆黒の堕天使 - ととさんお願いが聞いてくださりありがとうございますこれどうぞ(ハンバーガー)とこで兄ちゃんかっこいいよ契約したいよ (2016年6月27日 15時) (レス) id: 00da4d2b3b (このIDを非表示/違反報告)
とと(プロフ) - にぽんさん» にぽんさんいつも本当に有難うございます…！ 死にかけてるわけではないので大丈夫です！生きてます！ 更新できなくなるのは一番嫌なので、またゆっくりペースを戻していきますね♪ にぽんさんもお体にはお気をつけて下さいね^^; (2016年3月3日 15時) (レス) id: c40f552dcf (このIDを非表示/違反報告)
にぽん(プロフ) - だ、大丈夫ですか！？ととさんに迷惑かけっぱなしで、そして何も出来なくて申し訳ないですが、いつでもまってます！見捨てる理由なんてありません( *｀ω´)って、なんかすいません！お大事にです (2016年3月3日 14時) (レス) id: 43b08bd5ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とと | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/hometotop/
作成日時：2016年2月9日 3時
