【APヘタリア】私、悪魔と契約結んでます。【悪魔注意】

Incubus 2 ページ41

「こいつ…インキュバスか」
「言っとくけど、僕ソッチじゃないからね。この子を操ってるだけで君の上半身なんか見たくもない」
「こっちだってお前ごときにみられたくねえよ！」
「直接的にはAさんが見ていることになりますけどね」
「ふん、インキュバス如きが黙ってれば人の服好き放題しやがって…」
Aに押さえつけられたアーサーの手から、バチバチと音を立てて黒い光の塊が集められ、
「これ当てられたらお前も即刻消滅だぜ？」
仰向けになりながらもアーサーは余裕たっぷりと笑う。
Aは、というより乗っ取ったであろう悪魔は少し怯んだ顔をした。
しかしすぐに笑みを見せると、
「…いいの？この子もそれに傷つけられるよ」
「面倒くせえやり方しやがって…。これだから夢魔の類いは嫌いなんだよ」
「僕は君の方がもっとみだらだと思うけど」
「激しく同意です」
「うるせえお前ら！キクも助けにならねえし…
今回は仕方ねえ」
Aはアーサーのネクタイをするすると外していく。
「？何するつもり？だから僕を攻撃しようとすればこの子も… ん！？」
アーサーはAの唇を数秒塞ぐと、少し糸を引いて口を拭った。
「…は、身体がお前なら反吐がでるが身体がAなら問題ねえ。お前、俺の魔力を頂くとか言ったな。ならこれくらいの魔力は耐えられねえと無理だぞ？」
「…！」
「直接俺の魔力を注ぎ込んだ。本来のAなら全て吸収し気を失うが、仮にも悪魔であるお前が入ってるなら…お前は負荷に耐えきれずに外に出る」
キクはじ、とその様子を見ている。
「知ってるだろ？上級悪魔の魔力はさらに上級でないと抱えきれない。それがお前達、特殊な夢魔であってもだ」
「…く…！」
Aから離れ姿を現した悪魔は、内巻きの銀髪を少し揺らし、苦しそうに腹を抱えた。
「そういえばAがやけにずっと寝ていたのもお前がついていたからか？」
「ち、ちがうって！それは…！」
「ほーう…このアーサー様にいい度胸だなァ？良いだろう、この俺が直々に''消滅''させてやる。じりじりと痛みに悶えながら消えると良い。
転生もなにもかもできなくしてやろうか？」
「(相変わらず容赦のない方…ゲスいですねぇ)」
アーサーが悪魔の上に手をかざした。
「俺に逆らったこと…後悔するんだな」

「そこまでにしとくべ。ベリアル」

Incubus 3→←Incubus 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す