【APヘタリア】私、悪魔と契約結んでます。【悪魔注意】

Sytry 5 ページ15

「〜〜〜っ！！(キク！いつまでこいつ俺にキスしてるつもりだよ！！)」
「貴方もそういうのは動揺するんですねぇ…。いつも貴方がするように気絶でもさせておけばいいでしょう。」
「(そ、そうだった！)」
アーサーはAの唇をさらに引き寄せ、一気に自分の魔力を注いだ。
「はー…っ」
そして、ようやく倒れたAを抱える。
「よくやってくれたな、髭…」
「あれ？でも嫌じゃなかったでしょ？」
「だっ、黙れこの糞ゲス野郎！」
「お前に言われるのは心外だなぁ〜」
あの、とキクが悪魔を呼び止めた。
「Aさんにアーサーさんへの恋心を植え付けたのでしょう」
「ん、君はダンタリオンのキクだよね。あの子の記憶を見せてもらった時にわかったよ。
まあ最初は俺に仕向けたけど、面白いかと思ってアーサーにしてみたってわけ〜」
「なぁにが面白いだ！」
「だってお前さぁ〜。今まで契約した子、全員お前に一目惚れして会った瞬間やって捨てたじゃない。でも今回は違う。お前に惚れてもしないし契約も会ってからすぐしてない」
「ああ、それは私も思いました。あのアーサーさんが手篭めにできないなんて」
「うぐ…」
「だからちょっと面白いな〜って思ったの。
ほらお前、思い通りにできない奴は意地でも変える奴でしょ？んでいきなり変わったら戸惑うかなぁと思ってさ」
「まあ戸惑っていましたね、案の定」
まだ若いってことですよとキクがアーサーを慰める。
「それで？俺のこと浄化しようとでも思ってたんだ？」
「ああ。お前いつも俺の邪魔ばっかしやがって邪魔だしな」
「まったく酷いなぁ。ん〜、じゃあこんな条件出してあげようか」
悪魔同士の取引は、賭けと虚偽の塊である。
「その子、ちょっと厄介なもの持ってるし…俺が長期間でその子の心を操るのも多分無理そうだ」
「だからここで消してやるっつってんだよ」
「もう、ほんとにわかってないな〜。もしお前がお兄さんを消さなければ、
''少し気持ちを向けさせる''手伝いくらいはできるんだけど？」
「気持ちを、向けさせる…？」
「あれ？そういうの望んでんじゃないの？」
「確かにアーサーさんに好意がいけば、Aさんは思うまま、でしょうね…」
アーサーは手を丸め、口に当て考えた。
「…いいだろう。ただしAに一切手は出すな。やるな。襲うな。犯すな。」
「わかったってー。でもこの姿、彼女の初恋の人の姿みたいなんだよね？なんかお兄さんの若い頃の姿とすごい似てな〜い？」
「髭がないのが気持ち悪いな」

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