【APヘタリア】私、悪魔と契約結んでます。【悪魔注意】

Sytry 2 ページ12

次の日の午前。
私は疲れていたのか、教会にある固いベッドよりふかふかのベッドで寝たからなのか、朝の11時までぐっすり寝てしまっていた。いつもは7時には礼拝のために起きるのに。
「…ほんと、お前無防備だよな」
目をこすりながら大広間にやってきた私に、キクさんとチェスをしていたアーサーは言った。
「チェックメイト」
「あ！？くそっ！」
キクさんは微笑みながらおはようございます、と私に挨拶をした。
「ーーともかく、朝食そこにあるから食べろよ。服はそこ。」
アーサーが指した先には、彼の着ているものと酷似した緑のジャケットと、黒いレースのロングスカートが置いてあった。
「その服、アーサーさんが着ているのと同じ軍服がモチーフなんですよ」
「でもこれ、軍服というか、見た感じワンピースじゃ…」
「ええ。軍服ワンピース、というものですね。可愛いでしょう？」
嬉しそうに笑うキクさんに、思わずはい、と返答してしまった。
「Aさん。凄いのはこれだけではないのですよ」
「へ？」
「その軍服ワンピース…改良できます！」
「か、改良？」
「はい！明日は私の黒軍服と似た黒モチーフのものを着てもらおうと思っていますし、今でこそジャケットにネクタイがありますが色々な色のリボンに変えることもできるのです！凄いでしょう！？可愛いは正義ですよ、Aさん！」
興奮気味に説明するキクさんをじと、と見ながらアーサーは言った。
「べ、べつに俺はお揃いにしたいなんて思ってないんだからな！」
「じゃあAさん。いますぐそのジャケット黒に変えて差し上げますね」
「ややややめろよ！！」
そんなやり取りを二人がしている間に私は軍服ワンピース、というものを試着していた。
平凡な教会の服よりも、断然可愛い。
何より、軍服がモチーフだからかっこいいのも兼ね備えているのが私的にツボだ。
さっさと着替えると、何故か私の両隣に座りじっと眺めてくる悪魔をよそ目に朝食を食べた。
「…美味しい」
「良かった。私がつくったんですよ。ああAさん、このアーサーさんのつくる料理は魔界の全ての悪魔が''のたうちまわるほど''オイシイですから、食べないようにお願いしますね」
「は、はい」
「う、うるせえ！俺だって本当はちゃんとつくれるんだからな！！」

Sytry 3→←Sytry 1

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す