９．早朝から ページ9
案の定、いつもよりゆっくりと通学路を歩いていたのにも関わらず早く学園についた。まだ体育館に誰もいない。
「…ちょっと早すぎたんじゃないですか？」
「そのようです。流石にこの時間はまだ誰もいませんね…」
そう呟くと横でガサっという物音がした。二人しかいないと思っていたので驚いて、菊さんと二人でそこを見つめる。まだ開いていないはずの学園の扉。年期があるようで、その扉は重く錆び付いている。
ギギギ、とゆっくり開き始めた。こんな早朝に学園の中にいるなんて、一体誰だろう。この時間はまだ先生方もいないはずだし…。もしかして不審者だろうか。不法侵入して何かを探しているのだろうか。そう思うと怖くなって、菊さんの後ろに隠れた。
「だ、誰ですか」
「え…、こんな早朝に誰かいるのか？」
菊さんが、まだ姿も見えないその相手に大きめの声で問うと、同じような質問を問い返された。こっちこそ、その台詞を言いたいですよ…。
そう思っていたら、その人は扉からひょっこりと顔を出した。見覚えのある、朝日にキラリと光る金髪。一本一本が四方六方にはねている。そして特徴的な眉に、まるで宝石を入れたかのような翠色の瞳。この人、昨日私のクラスの先生のお腹を壊したあの凶器を持ってきた人だ。
「菊さん、気をつけてください。この人れっきとした殺人犯ですよ…！」
「えっ…えぇ！？」
「なっ…！お前、何出会い頭に人を殺人犯扱いしてるんだよ馬鹿ぁ！」
ずかずかとその人が歩み寄ってくる。何でこの学園の人はロヴィーノ君といいこの人といい、暴力的な人が多いのだろうか…。
「俺は！朝の集会の準備をしてるんだよ！」
「な…、何であんたが準備するんです！？そういうのは生徒会とか、しっかりした委員会の人がやるんですよ、多分！」
どう見てもこの人は不良の顔つきだ。やはり幼い時から菊さんの家でアニメや漫画ばかり見ていたせいか、生徒会はガリガリと四六時中机に向かっているイメージがある。
「だからこの俺が生徒会長だから準備してるんだよ馬鹿！」
ついに堪忍袋の尾が切れたのか、思い切り私に向かって上からチョップをかましてきた。
痛かった。いや、手加減はしていると思うけど、それでも痛かった。でもそれよりも私の頭の中には、理解しがたいというはてなマークが浮かんでいた。だ、大丈夫かこの学園…。
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くるりん(?・ω・)(プロフ) - 薺さん» 貴重なご意見、ありがとうございます…！まず人種が違いますから、合併なんかも出来ないですし本当に愛し合っていないと結ばれないんじゃないかな、と考えると止まらなくて！拙い文章ですが、頑張らせて頂きます！ (2017年3月31日 12時) (
レス) id: 405f58ad2d (このIDを非表示/違反報告)
薺 - はじめまして！最後まで一気読みしちゃいました！ヒトとクニの切ない描写がなんかたまりません…！更新頑張ってください！ (2017年3月29日 20時) (レス) id: 8d03f80a9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：くるりん(✿・ω・) | 作成日時：2017年3月12日 0時
