4.馴染めなくて ページ4
「へ、へえ……」
まだいまいち理解出来ていないようだが、一応返事を返してくれるロヴィーノ君。とっくに鐘が鳴ったので二人揃って立ち上がる。動かしてなかったせいか足が痺れていたようで、びりっと電流が走った。
「……?何やってんだよ、窓枠に寄りかかって。早く教室戻るぞ」
「ちょ、ちょっと待って。今、足痺れてる……刺激しないで」
そう言うとロヴィーノ君はにやっと悪い意味での笑みを見せる。うわ、嫌な予感しかしない。でも動けないのでどうしようとも出来ない。ロヴィーノ君がじりじりと近づいてくる。
うわあ、初めてあった時みたいだアハハ。
「えいやっ!どうだこのやろー!」
「やめろおおおおおおお」
ロヴィーノ君が足で私の足を小突いてくる。何この嫌がらせ。何この拷問。小学生男子的思考ですか…?
そんな事をしていると隣の教室の扉ががらっと開く。ロヴィーノ君と2人でその音に反応し、扉の方を見つめる。先生だろうか、また怒られるとしたら嫌だなあ。
するとこの学園では珍しい、黒髪が覗いた。飾り気の無いストレートな黒髪。この髪の持ち主は絶対あのお方だ。
「菊さん!」
「おや、何やら外が騒がしいと思ったらAでしたか。ロヴィーノ君もご一緒で、大変仲が宜しいのですね」
何故か誤解が生まれているようだがにこりと微笑みを返した。このお方は私の家の主人様だ、これ以上迷惑をかける訳にもいかない。この一件も、元々私が無理言ってこの学園に入れてもらったが為の出来事なんだし。
「うっわ、言い返さないのかよお前。菊の前ではいつもそんな風に猫かぶってんの?」
「うわわわ、この人何言ってるんでしょうね!?」
大変な事を口走ろうとしたロヴィーノ君の口を慌てて塞ぐ。呼吸困難らしいけど気にしない。
菊さんは少し首を傾げるような仕草をしたが後ろから声が掛けられたようですぐ行ってしまった。一時期はずっと引きこもっていたのにもうクラスメイトとあそこまで馴染んでいるのか、と感心する。
「何だよお前、ぼっち?仕方ねえ、俺が友達第一号になってやるぞこのやろ」
「残念ながらクラスの中で一番心開いていないの、ロヴィーノ君だけだからね」
そんなに悪口を並べられるのに心開いていない訳ねえだろ、と頭をこつんとつつかれた。
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くるりん(?・ω・)(プロフ) - 薺さん» 貴重なご意見、ありがとうございます…!まず人種が違いますから、合併なんかも出来ないですし本当に愛し合っていないと結ばれないんじゃないかな、と考えると止まらなくて!拙い文章ですが、頑張らせて頂きます! (2017年3月31日 12時) (レス) id: 405f58ad2d (このIDを非表示/違反報告)
薺 - はじめまして!最後まで一気読みしちゃいました!ヒトとクニの切ない描写がなんかたまりません…!更新頑張ってください! (2017年3月29日 20時) (レス) id: 8d03f80a9c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:くるりん(✿・ω・) | 作成日時:2017年3月12日 0時